23年過ごした鳥取から鎌倉へ移住。安藤明日生が蒔いた種と芽吹く未来は。

2017年2月19日インタビュー, ホンバコ, 鳥取

どうも、りょうかん(@ryokan_1123)です。

やるやる詐欺をしてきた企画「ホンバコスタッフインタビュー」をの第2弾!

今回登場するのは、オープニングスタッフとしてホンバコの立ち上げからずっと支えて続けてくれ、2017年の1月で鳥取を離れた安藤明日生さん。

鳥取大学4年次からホンバコに関わり始め、大学卒業後も就職せずにフリーターとして鳥取での生活を続け、約1年間の時間を経て、鳥取を離れる決意をした彼女が、何を想いながら鳥取で過ごしたのか。そして、どんな気持ちで鳥取を離れるのか。

少し長めのインタビューですが、コーヒーを飲みながらじっくりと読むのには良い記事だと思いますので、ゆるりとご覧ください。

取材日:2016年12月26日

安藤 明日生(あんどう あすみ)
1993年生まれ
鳥取県倉吉市出身
2016年3月 鳥取大学地域学部卒業
2017年1月  神奈川県鎌倉市へ移住
ホンバコオープニングスタッフ

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外の世界や色んな店を見た方がいい

── 明日生と言えば、ホンバコのオープニングスタッフでもあるが、鳥取のベーグル喫茶「森の生活者」で働いているイメージが強いように感じる。
彼女が森の生活者(以下、「森」に省略)で働き始めたきっかけは何だったのか?

安藤 森のスタッフになったのは大学3年生の時からなので、ちょうど2年前ぐらいですね。

湯梨浜町のたみうかぶLLC運営)で開催されたイベントで1日カフェ店長をしたんですけど、それを経て「ベーカリーカフェをしたい」という夢が出来たんです。

そんな想いが芽生えたタイミングで、うかぶLLCの代表・三宅さんから「森がバイト募集してるんだけど、明日生のことを紹介してもいい?」と聞かれて、応募をしたんです。

── 森として初めてのバイト受け入れだったと聞いていたので、2年間とは意外と短い感じがする。明日生がいなくなると(森の生活者・店主の)森木さんもさぞ寂しい想いがするだろう。

安藤 ベーグル自体はさわり程度しか教えてもらえなかったですけど、ドリンクの作り方だったり、ホールや接客などはたくさん教えてもらいました。実際に森木さんからも「フリーターになってからのこの1年は1人のスタッフとして色々と任せれるほど急激に成長した」と言ってもらえたりして。

でも同時に、「明日生は外の世界や色んな店を見た方がいいと思うよ」とも言われたんです。そう言われなければ(わたし自身は森が好きだから)ずっと居たと思うんですけど、そんな気持ちもわかった上で言ってくれたと思うので、(2016年の)12月で辞める決意をしたんです。

今まで育ててくれた時間とか労力を考えたら明らかにロスでしかないのに、それでもそう言ってくれたことに、恩返しじゃないけど、より育った姿をちゃんと見せたいなと思いますね。

森の生活者からの風景

リピーターが嬉しかった

── さて、森で働いていた一方で、オープニングスタッフとしてホンバコにも関わり始めてくれたのだが、ホンバコを知ったきっかけは何だったのだろうか。

安藤 卒論のテーマとして尾道在住のスミスさん(本名:澄川小百合さん)を対象にしていたので、尾道のことをちょくちょく調べてたんですよ。
その時に、りょうかんさんのブログだとは知らずに、尾道の移住者にインタビューした記事を発見して。

スミスさんについてはこちらをご覧ください

尾道の移住者インタビュー記事のひとつ

「この記事、面白いな!」と思って読んでいたんですけど、その後にホンバコが出来ることを知って「あっ、この人なんだー!」と思ったんです。
なので、りょうかんさんが面白そうだったというのはすごくありましたね。

── 明日生が大学を卒業してからのこの1年は主にお菓子作りを担当してもらった。試行錯誤しながらのお菓子作りだったはずだが、実際はどうだったのか。

安藤 わたしが作った焼き菓子ではあるものの、自分の名前を出して売り出すことはしようと思ってなかったんですけど、食べてくださった常連の方々が反応を返してくれるのは嬉しかったですね。その意見を元に改良していけたので。

── 実際に明日生のオートミールクッキーはリピーターが多かった。

安藤 例え少数でも、リピーターがいたのは本当に嬉しかったです!

ただ、ホンバコのカウンター(厨房)のところでお客さんと喋り続けるのは苦手でした。喋ること自体は嫌じゃないんですけど、作業しながら喋るのがなかなか難しくて出来なかった。

明日生の作ったオートミールクッキー

この部屋があるから鳥取を

── 明日生を語る上で、もう一つ欠かせない場所がある。
鳥取には珍しいカスタマイズ賃貸アパート「ヤマネコ荘」で生活をしていた。ヤマネコ荘(以下、「ヤマネコ」に省略)
に入居したのはなぜだったのか。

安藤 2015年の夏から住み始めたので1年ちょっと住んだんですけど、壁紙を自由に選べたり自分好みの部屋に出来るので、小学生の頃からインテリア雑誌を買い込んで「こんな部屋に住みたい」と妄想を膨らませていたわたしからすると、単純にいいな〜と思ったんですよ。

あと、大学に在学中も(ヤマネコ荘と同じ地域の)湖山に住んでたんですけど、家賃はヤマネコの方が安いし、条件的にもわたしにはこっちの方がいいな、と。それに、キッチンが広いのがめっちゃ良かった!

── どんなテイストの部屋にしたのだろう。

安藤 みんなに「ラブホみたい」と馬鹿にされるのが本当に嫌だけど(笑)、壁はラベンダー色にしました。

部屋自体めっちゃ好きで、この部屋があるから鳥取を離れたくないという想いもあるぐらい。正直言えば、この部屋が誰かの場所になるのはだいぶ悲しいです。そう思うぐらいこの部屋に愛着が持てました。

愛着が詰まったヤマネコ荘の明日生部屋

必然的にフリーターに

── 大学を卒業後、一般的な就職をすることなくフリーターの道を選んだ
どんな想いで一般就職しない選択をしたのか。

安藤 そうですね、フリーターになったのも、森の存在が大きかったですね。まず第一に、森でもうちょっと働き続けたかった

ただ、それだけでは生活できないし、将来はパンを焼く人になりたかったから、某パン屋でのバイトも始めました。でも、それらだけでもお金が…、となったので派遣でのコールセンターにも行ったりして。

まあだから、わたし的には「必然的にフリーターになった」という感じですね。自分を生きやすくするために、働き方を選ぶみたいな。

── 複数の仕事を掛け持ちすることは大変ではなかったのだろうか。

安藤 パン屋で働くことは、すごくしんどかったですね。
ただ、大人数の中で働くことの大変さ(人との付き合い方とか、作業効率を考えることとか)が学べて、それが森での接客や仕事の早さにつながっていったりもしたんですよ。コールセンターで働くことも本当は嫌だったけど、森で喋っている時に敬語ができるようになっていたことに気づいたりもして。

そう思うと、どの仕事も役に立つなと思ってきて、そういう意味では楽しくもありましたね。


鳥取は好きだから将来的に

── 2017年1月末に、鎌倉へ移住するした。なぜ鎌倉なのか。

安藤 遠藤さんがいるからです。(照)

(著者注釈:遠藤さんとは、ヤマネコ荘がきっかけで出来た明日生にとって大切な人。珈琲愛が溢れ出した結果、約1年前に県職員を辞めて、現在は鎌倉のカフェで修行をしている)

遠藤さんが自ら主催した送別会イベント

── もちろんそれも理由であろうが、さすがにそれだけで愛着のある鳥取を離れるだろうか。他にも理由がありそうだ。

安藤 生まれてから鳥取から出たことない中で、鎌倉には山と海がある(自然がある)ので住みやすそうに思えたんですよ。それに、自由な雰囲気もある。

あと、鳥取に住み続けることに若干の限界を感じていたんです。鳥取にいるだけだと世界が狭く感じてきたというか。だから、新しい世界に行きたいと思ったのもあります。単純に新しいものを見たいと思った。

── 行くのと住むのは違う。鳥取に住みながら他の地域に行くだけでは見えないものが、その地域に住むことで見えてくる。そのことは僕自身も多分に経験してきた。

安藤 鳥取は好きだから将来的に戻ってきたいという思いはあるけど、今はいいかな、と。

森の生活者やパン屋で働いてみて、それでも「ベーカリーカフェをやりたい」という思いは消えないので、実現に向けて頑張っていきたいと思ってます。遠藤さんと2人でやろうという話もしてるけど、ちゃんと修行した上で始めたい。

── 修行して2人でカフェを。ものすごく素敵な未来の絵が浮かぶ。
早く実現してほしい気持ちが先走るが、きちんと力を溜める時期も必要だ。

安藤 お店をやるには、デザインとかセンスとか色んなものが必要だと思ってて、だからこそ、そういうものを磨くためにも出来るだけ色んな人と関わっていたいと思うんですよ。

だから、ホンバコも森の生活者も、色んな人と出会わせてくれたので、とても良い場所でした

明日生 大学卒業式の日 with 遠藤(左)

最後に

── このインタビューは、これまで明日生が鳥取でやってきたこと(の一部)のアーカイブとして、そして、これからの明日生の挑戦の後押しになればと思い、実施に至った。

安藤 わたし自身、(たみに関わるようになってから)世の中には自由な人たちがいっぱいて色んな生き方があることを知ったことで、自分の人生が生きやすくなった。だから、私の生き方で、誰かが「あっ、これで良いんだ」と思ってもらえたら良いな、と思います。

それに、鳥取のみなさんからはたくさんの愛をもらったと思ってて。そのおかげで、どこにいても頑張れそう。もっと色んなもの(価値観や技術など)を吸収して、成長して、また鳥取に戻ってきたいです。

これからも、わたし(と、遠藤さん)のことを心の片隅に覚えておいてもらえると嬉しいな。

── 明日生がベーカリーカフェを開くとき、この記事の続編として再びインタビューをする日が来ることを、心の底から楽しみに待つことにする。

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りょうかん

りょうかん

オーナー経営者Book Cafe ホンバコ
1990年生まれ、鳥取育ち。 「Book Cafe ホンバコ」のオーナー経営者。 プロフィールをより詳しく知りたい方は、こちらをお読みください。  個人株「VALU」もやってます→【りょうかんのVALU

2017年2月19日インタビュー, ホンバコ, 鳥取

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