インタビュー

マネタイズは考えない!コミュニティコインのアプリ「KOU」に込められた想いとは?

りょうかん(@ryokan_1123)です。

9月3日にiOS版がリリースされた「KOU」というアプリをご存知でしょうか?

コミュニティ内で「感謝」をベースにコインの贈り合いができるサービスなんですが、今回はこのプロジェクトを推し進めている株式会社ツクルバCCO・中村真広さんへの公開インタビューの様子をお届けします

インタビューを実施したのは、リリース直前の8月下旬。場所はツクルバの社員旅行先だった静岡県熱海市のゲストハウスのテラスで、以下のような話をお聞きしました。

・KOUで目指したい世界観
・KOUの使い方へのヒント
・事業としてのマネタイズ

すでにアプリを使い始めている人、そして使うことを検討している人にとって、参考になる内容だと思いますので、のんびりとご覧ください!

実施日:2018年8月28日

やりたいのは「コミュニティのためのツール作り」

りょうかん
りょうかん
今日は社員旅行の合間に時間を作っていただき、ありがとうございます。

中村真広
中村真広
今日は KOU についての公開インタビューをしてもらえるということで、こちらこそありがとうございます!

りょうかん
りょうかん
まず自己紹介を…、と思っていたんですが参加者のほとんどがツクルバの社員さんですね(笑)

中村真広
中村真広
平日の16時半ですからね。社内ミーティングへようこそ(笑)

りょうかん
りょうかん
逆に僕が自己紹介した方が良さそうな…(笑)

中村真広
中村真広
そうですね(笑)

りょうかん
りょうかん
えっと、、、鳥取と熱海の二拠点をしてい・・・(詳しいプロフィールはこちら

、、、というわけで、よろしくお願いします!
早速なんですが、「KOU」というサービスの説明をしてもらっても良いですか?

中村真広
中村真広
そうですね。今日来てくれてるツクルバの社員の中にも、KOUのことをよく知らない人がいるので、わかるように説明します。

中村真広
中村真広
ツクルバでは、これまで『働く』と『暮らす』を軸にしたサーボスをやってきていたんですけど、その先に僕らが作りたいのって「コミュニティ」であり、やりたいのは「コミュニティのためのツール作り」みたいなことだなと思っていて。

で、突破口はないかと考えていたときに、コミュニティ通貨みたいなものが輝いてみえた。1年ぐらい悶々とした時期を経て、今年の2月から本格的に始動したのが「KOU」というサービスです。

メッセージ付きでコインを送れるサービス

りょうかん
りょうかん
話を聞いていると「地域通貨」と似たようなものかなと感じるんですが、地域通貨とはちょっと違うんですかね?

中村真広
中村真広
KOUは『コミュニティコイン』と言うようにしてるんですけど、地域通貨も内包するような枠組みのものだと思っていて、地域に限らず「同じアイドルファン」や「集合住宅の繋がり」のようなコミュニティ内で“感謝”が循環するような通貨を作りたいと思って始めました。

りょうかん
りょうかん
感謝ですか…?

中村真広
中村真広
感謝の伝え方って人それぞれだなって思っていて。

たとえば現金で御祝儀を渡すような形もあれば、SNSで「いいね!」するみたいな形もある。けど、フォーマルすぎたりライトすぎたりするからその間を作ろうとしているのが KOU というわけです。

りょうかん
りょうかん
具体的にはどんなことができるんですか?

中村真広
中村真広
KOUでできるのは、「アプリ内でコミュニティを作って、そこに仲間たちを招待していき、自分で名前を付けたコインを招待した仲間にメッセージと一緒にコインを送れる」というものですね。

たとえば、りょうかん君に対して「イベントを開催してくれてありがとう」というメッセージと一緒に「39ATMコイン」を送れたりする。(ATM=熱海)

りょうかん
りょうかん
なるほど!コインはメッセージ付きで送るんですね!

中村真広
中村真広
そう。コインを送ったら、コミュニティ内のタイムラインに誰から誰に対してどんなコメント付きでいくらのコインが送られたか、という情報のカードが表示されて並んでいく。これが公開台帳のようになっていて、コミュニティ内でどんなやり取りが巻き起こっているかを可視化できる。

りょうかん
りょうかん
誰から誰に対して、というのも可視化されると!面白い!

中村真広
中村真広
そうするとさ、たとえば「りょうかん君はやたら感謝されてるな〜」みたいなことがなんとなくわかるじゃん?

さらに、月間MVP的な形で今月一番感謝された人は誰なのかというランキング機能も追加していて。これによって、金銭的な結果ではなく、コミュニティの中でアクティブな人とかハブになっている人を賞賛できたりするんじゃないかなと。

実際に筆者が利用しているKOUアプリ画面の一例
りょうかん
りょうかん
すでに使用実験的なこともされているんですか?

中村真広
中村真広
cowcamoのエージェントチームでトライアルをしていて、その結果を踏まえた改善を繰り返して今の形になってますね。

りょうかん
りょうかん
その時はどういう感謝の形があったんですか?

中村真広
中村真広
たとえば、後輩から先輩に対して「営業同行に付き合ってくれてありがとうございます!」とか、「会社に戻ったら差し入れがあって癒されました!」とか、「契約書のダブルチェックをしてくれてありがとうございます」とか、些細なことからしっかりしたことまで様々だったね。

りょうかん
りょうかん
その時の送るコインの金額って悩むところな気が…。

中村真広
中村真広
金額ね!みんなの使い方を見ていると「39(サンキュー)」「46(ヨロ)」「88(パチパチ)」みたいに語呂の良い送り方をしてるんだよ!

先輩に奢ってもらった後輩が「肉が美味しかったです!」と「29コイン」を送ったりとか(笑)

りょうかん
りょうかん
面白い!!コインはいくらでも発行できるんですか?

中村真広
中村真広
仕組みとしては、あるコミュニティにジョインしたら天から5万コインが降ってくる形になってますね。ひとり5万コインずつ持った状態でコミュニティに参加して、送ったり貰ったりしながら回していくような感じです。

りょうかん
りょうかん
じゃあコミュニティに参加する人数が増えれば、コミュニティ内のコイン総量は増えるというわけか…

中村真広
中村真広
そうなんだけど、KOUが大事にしているのは「ストックよりフロー」で、通貨の保有量じゃないんですよ

自分が何コインを持っているかというのはある瞬間を切り取ったときの数字でしかなくて、むしろトランザクションをたくさん生み出している人の方が素敵だよね、という価値観を大事にしたい。

りょうかん
りょうかん
ということは、マイナスになることもあるというわけですかね…?

中村真広
中村真広
コミュニティに対して一方的にパラサイトし続けちゃうと手持ちのコインが無くなっちゃうわけで、5万コインがゼロになるまでに自分がもっと貢献しようぜ、という感じですかね。

KOUが参考にした手帳型(通帳型)の地域通貨の代表例でもある神奈川県の藤野の「萬(よろづ)」の仕組みだとゼロからスタートして無限にプラスにもマイナスにもできる。だけど、それだと円の世界に生きている我々にとってはちょっとわかりにくいということで、初期値を5万コインに設定して下限を作った経緯もあります。

都心の人を村人化して「お金のリハビリ」をしよう

りょうかん
りょうかん
話を聞いていると色々なコミュニティで試せそうな気がしますね。

中村真広
中村真広
そうそう。会社とかでもいいと思うし、地域のまちづくり的なところでもいいと思う。

りょうかん
りょうかん
移住コミュニティとかにも相性良いかも!

中村真広
中村真広
もしかしたら、ある程度流動性の高いコミュニティの方がハマるのかもと思ったりしてますよ。それこそ熱海とか!

りょうかん
りょうかん
熱海の場合、イベントにボランティアスタッフとして参加する人も多いので、その人たちへの感謝を伝えるツールとして活用するのは面白そうだなと思ったりしてます。

中村真広
中村真広
金銭的なモチベーションで動いてないボランティアチームにはハマるかもね!ボランティアで来た人に「少ない額だけど…」と謝礼を渡したりすると野暮ったい感じになるけど、熱海コインを送っておいて「今度の交流会で使えるからまた来てね〜」と言う感じだと気持ち良かったり。

でも、KOUの価値観って地方の田舎に行けば行くほど当たり前にあったりするんだよね〜。

りょうかん
りょうかん
あ〜、確かに鳥取の人にこの話をした時に「何が新しいの?」という反応されることも多かったかも…。

中村真広
中村真広
やっぱりそうだよね。あと、ツイッターをはじめとしてネット上にもあったりするんだよ。

で、一番その価値観が無いのが東京生活の中だったりする。だから、KOUは都心の人を村人化することでお金のリハビリをしよう!というプロジェクトだったりもするわけです。

りょうかん
りょうかん
なるほど。それが「お金のリハビリ」の意味なのか…。ようやく腑に落ちてきました(笑)

中村真広
中村真広
僕らが目指しているのって、一方的なGIVEがあってそのリアクションで感謝がある、と言う世界観なんですよ。

僕は“感謝経済”と呼んだりしてるんですけど。

りょうかん
りょうかん
感謝経済…、ですか?

中村真広
中村真広
一般的なお金って総流通量が決まっているから上限が決まっているじゃないですか。だから、「お金を増やしていく」と言うことに無理があって、増やしていこうと思ったら誰から吸い上げるしかない。

一方で、人の心をベースにした“感謝”みたいなものにアンカーポイントを置くと、絶対量は決まってなくて感謝すればするだけ無限に増えていく。それって超すごいなって思うんですよ。

りょうかん
りょうかん
なるほど。確かに言われてみれば……

中村真広
中村真広
「お金のリハビリ」っていう表現を使っているのは、KOUを通じて感謝経済の振る舞いを取り戻そうという意味も込めているんです。

で、取り戻した上で既存の通貨も感謝経済の振る舞いで使えば、お金がビビットになるような気がしていて。

だから、「感謝経済を通じて貨幣経済をちょっとズラす」ということが本当にやりたいことだったりするんですよ。

りょうかん
りょうかん
かっこいい!

年内リリース目標のアンドロイド版の開発を急いでいる

ツクルバ社員
ツクルバ社員
質問いいですか?

ツクルバ社内のいくつかのチームにプロトタイプを使ってもらってたと思うんですけど、その時にうまく使いこなしてた人たちの特徴とか、あまり上手く行かなかったパターンって、どんな感じだったのかな?っと。

中村真広
中村真広
それで言うと、Android版が無いというのが…。開発メンバー、どうですか?(笑)

開発メンバー
開発メンバー
いくつかのオンラインサロンで有志に導入してもらって、いろんなアイデアを出していただいていたんですけど、いつもネックになっていたのが「興味を持っている方がAndroidユーザー」という点で…(苦笑)

出て来たアイデアを実現してもiPhoneユーザーしか試せないので、「いつAndroid版が出るんですか?」という意見は何度も出てましたね。

中村真広
中村真広
そうなんですよね。なので、現在は圧倒的アンドロイド開発体制を敷いて頑張っているところです。開発できる人が見つかったので、年末までにはリリースできるかなと

だから、iOS版が出てもプレ期間だと思っていて、Android版がリリースしてようやくスタートだと思ってます。コミュニティツールとか言ってるのに世の中の半分が使えなかったら導入できないじゃん!って話ですからね(笑)

りょうかん
りょうかん
僕もiOS版のみな部分がネックになるんじゃないかと危惧してました。開発中と聞いて安心です!

中村真広
中村真広
めちゃくちゃ危機ですよ(笑)

でも、これまでもそうだったんですけど、サービスの初期って自分たちの感性を信じてマーケティングデータとか全無視で突っ走る期間が1年弱はあったほうがいいと思っていて。なので、一旦は仮説で走りきってみようと思います。

マネタイズはしばらく考えない!

りょうかん
りょうかん
素朴な疑問なんですけど、事業としてのマネタイズってどうしていくんですか…?

たっけ君のVoicyの中で「社会実験」と言われてたんですけど、開発するだけでもかなりの費用がかかっているはずだよな…、と。

中村真広
中村真広
いい質問ですね(笑)しばらくは考えません!

りょうかん
りょうかん
えっ、考えないんですか!?

中村真広
中村真広
直近のちっちゃなマネタイズは本当に考えてないです。

最適な広告枠を作ってバナーを売ったりすればできると思うんですけど、でもそれって面白い?って思ってて。

ツクルバ社員
ツクルバ社員
ちょっといいですかね?

KOUの公式コミュニティみたいなものを作って、そこで還元してもらうみたいなことでもいい気がしてます。たとえば「KOUの宣伝をしてくれる」とか「運営チームに肉を送ってくれる」とか。

それこそ「Android開発できます!」みたいな人がいたら面白いし、KOUらしいと思うんですよね。

中村真広
中村真広
月給をKOUコインで払ってもいいのかな?(笑)

ツクルバ社員
ツクルバ社員
KOUユーザーからモノで還元してもらうような形はありだと思いますよ!

中村真広
中村真広
たとえばレストランをやっている人が「ランチ代をKOUコインで払ってもいいよ」みたいなことを言ってくれれば、Androidの開発をしてくれたエンジニアの人はKOUコインでめっちゃランチが食べれるみたいな!(笑)

りょうかん
りょうかん
なんかその形はいいですね!KOUの目指す世界を自ら体現している感じがあっていい気がする!

中村真広
中村真広
それは実現したい世界だね!

そう考えると、株式会社としてやってるけど他のカタチにした方がいい気がしてくるよね。自分たちで「円」を注ぎ込んで「円じゃない世界を作ろう!」ってやっているのって変な話でさ!(笑)

たとえば、このムーブメントを社会実験するための一般社団法人やNPOというカタチもしっくりくるというか。途中で変えてもいいかなと思ったりはするな。

りょうかん
りょうかん
たしかに「株式会社」よりは別の形として運営している方がしっくりきますね。

長いスパンで良いサービスになっていくように、僕自身もユーザーとして使い倒してみようと思います!今日は貴重な時間をありがとうございました!

明日までの社員旅行を全力で楽しんでください!

中村真広
中村真広
こちらこそ、ありがとうございました!たくさん使ってみてください!

今後に KOU ご期待ということで(笑)

まとめ:編集後記

いかがだったでしょうか。

このインタビューの実施後、リリースされたiOS版アプリを試用してみているんですが「既に輪郭のあるコミュニティ内でのコミュニケーションをより滑らかにするためのツール」としての使い方が最もしっくり感じています

とは言え、やはり「Android版が未リリース」という部分でコミュニティ内の全員が使えないという状況に物足りなさも感じています…

年内にリリースされるまではコミュニティ内で色々な使い方を試しておいて、2019年から本格的にコミュニティに導入してみる感じが良いのかな〜

興味のある人は一度ダウンロードして触ってみてください。このサービスは実際に使ってみて感じることの方が多いと思います!

KOU

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感謝経済について

>> 「感謝経済」宣言|中村真広

KOUのサービスストーリー

>> お金と空間の共創から生まれた「KOU」–KOU Story vol.1

>> 「スタートアップと資本主義」–KOU Story vol.2

基本的な機能について

>> 【入門編】 #コミュニティコイン のアプリ「 #KOU 」機能解説!

活用方法のアイデアをもらえる

>> あなたならどう使う?コミュニティコインのアプリ 「 #KOU 」活用案!

 

ABOUT ME
りょうかん
りょうかん
1990.11.23、鳥取生まれ。 NPO法人atamistaゲストハウスあなごのねどこホンバコ(オーナー)を経て、今。 全国を巡りながらブログで生活中。 / 仕事の依頼は【料金表】を参照ください / ✍noteも書いてます / 支援大歓迎