どうも、りょうかん(@ryokan_1123)です。
だれでも自分の映画館をつくることができるサービスが登場したのをご存知ですか?
これまでは、個人レベルで映画上映イベントを定期的に開催する際には金銭的に大きなハードルがありました。
そのハードルを取り払い誰でも簡単にリスクなく上映会を開催できるようにしたサービスが『popcorn(ポップコーン)』です。
2017年4月22日(土)にリリースされ、僕の経営する「Book Cafe ホンバコ」でも上映会を(不定期で)開催しています。
上映を開催している中で感じたのは、このサービスは「地方都市」でこそ普及して輝くべきだということ。今日はそんなテーマで書いていこうと思います。
「popcorn(ポップコーン)」とは?
誰でも簡単にリスクなく上映会を開催できるようにしたサービスと書きましたが、もう少し詳しく説明をしておきます。
これまで、映画を定期上映することはかなり難しいものでした。
映画を上映するためには「権利許諾」が必要となります。ところが、これを取得するのに、どこへ問い合わせればいいのかわかりにくいことに加え、権利が複雑な作品も多いのが実態です。
なんとか権利許諾を取れたとしても、「上映費用」が次の問題となります。一般的には1回の上映に数万円から数十万円の費用がかかるため、50人以下の上映会では赤字必須となってしまいます。
このようなハードルが立ちはだかり、小規模な会場では上映することが不可能に近かったのです。
そんな中で、「日本中の様々な場所で映画体験が生まれ、映画が鑑賞される機会が増えること」を願い、この2つの壁を取り払うことに成功したのが『popcorn(ポップコーン)』というサービスです。
popcorn側であらかじめ権利処理をしてある作品を、「初期費用ゼロ」「入場者数に応じて上映料が発生する」という形で、だれもが上映できる環境を実現しました。
このサービスの仕組みにより、多くの場所(小規模会場でも)で上映会の開催が可能になり、「カフェで週1回だけ上映」や「オフィスを開放して映画を観る」「作品のロケ地で上映」のようなことが出来るようになったのです。
「地方都市」でこそ輝く。
実際にどんな作品が上映出来るかと言うと、シネコンなどで上映されるメジャー作品はほぼ無く、その多くが地方都市では上映自体が行われたことのないであろう単館系の作品です。(上映可能作品を知りたい方はこちらをクリック)
多くの地方都市では、昔からあった映画館やミニシアターが次々と無くなっています。
僕の住む鳥取市も、以前はたくさんあったらしい映画館が、今では市内に「鳥取シネマ」の1つだけとなりました。(昭和30年代の古い地図を見ると、鳥取駅前の中心市街地だけでも数え切れないぐらいの映画館の名前が記載されていました)
そして、そのたった1つの映画館「鳥取シネマ」でも、上映作品は集客の見込めるアニメ系や話題作品がほとんどです。(経営上仕方ないのだと思います)
イオンなどのショッピングモール内にシネコンすら無い鳥取市を例にすると極端かもしれませんが、多くの地方都市でも同じように多様な映画作品との出会いの機会が失われてしまっていると思います。
しかし逆に言えば、そんな「地方都市」だからこそマイクロシアターの仕組みが輝くと思うのです。
「popcorn」の仕組みであれば、小規模会場であっても赤字になることはありません。数人が集まりさえすれば観たい作品を上映することができ、そんな場所が次々と生まれれば、地方都市でも多様な映画作品との出会いの機会を生むことが出来ます。
鳥取東部地域で言えば、「Y Pub&Hostel TOTTORI」というゲストハウスの隣にあるシェアオフィス「RMS」を会場にした世界各地の作品やアート系映画の上映会は相性が良さそうだと思いますし、「Tottori Coffee Roaster」で『A Film About Coffee』の上映なんてのも素敵だと思うのです。
更に言えば、普段から自主上映会「鹿の名画」を実施している鹿野でも、popcornシアターが導入されるとより良いんじゃないかと思ってしまいます。
もっと壮大なことを言えば、「TREES COFFEE COMPANY ハートランドマミー店」での中規模上映会や、「鳥取シネマ」の空き時間を使った単館系映画の本格的上映なんかを想像するとめちゃくちゃワクワクしてしまいます!
(岩美のカフェ「ALOHA」や、智頭の「歩とり」、八頭の「HOME8823」「BASE8823」なども、上映会が企画されると面白いだろうな〜)
導入障壁は?
とは言え、どこでもすぐに上映会を実施するかと聞かれればそんなことはなく、導入するまでのハードルは少なからず残ります。
まず、上映会場側の最初の障壁としては「インターネット環境」と「上映設備」の問題が立ちはだかります。
popcornでは、必ず「インターネット環境」が必要になってきます。地方都市の方は(店舗経営者であっても)、今なおインターネットに苦手意識を持つ方も少なくありません。
さらに、用意する必要のある「スクリーン」「プロジェクター」「音響設備」を全て持っている方も多くはないでしょう。
ちなみに、インターネットが人並みに使え、必要設備が揃っていれば、シアター登録自体はたった5分で終わります!(下記の記事を参考にしてください)
しかし、それでも躊躇してしまう人が大半だと感じます。
また、シアター登録が出来ても、集客面で大きな課題に直面してしまいます。それが「事前クレジット決済」という地方都市ではまだ馴染みの薄い支払いシステムです。
僕自身も上映会を開催して実感していますが、地方都市(少なくとも鳥取では)においてはクレジットカードの普及率はそこまで高くありません。しかも、インターネットでカード情報を記入することに不安を抱く方も少なくない割合存在しており、それを理由に参加を渋る方も多々います。
前回の上映会@ホンバコ(本箱シネマ)に、鳥取県米子市でpopcornによる上映会を開催している「Studio Spark」の方々がはるばる参加しに来てくださっていたので話をしたのですが、やはり米子でも『事前クレジット決済』がひとつの障壁になっているようなことを言っておられました。
これまで、クレジットカードを持っていない or 使いたくない方が参加したいと言われた場合は、僕個人のカードで代理決済をしてきました。(知人に限る)
また、コンビニなどで販売されているプリペイド式クレジットカード「Vプリカ」の使用も出来るようで、これを購入して参加された方もいらっしゃいます。
が、このクレジットカードによる集客問題に関しては、開催回数を重ねることでしか解決していかないように感じています。
[追記]
クレジットカード以外の側面で集客に苦戦する場合も多々あります。ホンバコでは、観たい作品を常連さんや上映会に参加された方に聞くようにしています。また、上映会前後に上映可能作品の予告編をまとめて流す工夫もしているので、参考にしていただけると幸いです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
多様な映画作品との出会いの機会が少ない地方都市だからこそ、『popcorn(ポップコーン)』のようなマイクロシアターの仕組みが輝くと感じます。
現状としては、popcorn自体の認知度も低く、それに加えて事前クレジットカード決済という見えないハードルによって、集客に苦戦することも多いです。
しかし、主催者側としては1人でも集まれば上映会自体で赤字になることはありません。お試しでも良いので一度マイクロシアターを実施する体験をしてほしいな〜と、心から思います。
サービス自体の認知度の低さや決済方法の普及も、上映会場が増え、地域における上映実績が積み重なっていくことで徐々に改善されていくと思うので、一緒に盛り上げてくれる人は是非ご協力ください!
上映する場所を持ってない方も、行きつけのカフェや店舗の方に「マイクロシアターで上映してみない?」と声かけてみるのも有りだと思います。もしシアター登録や上映方法、イベント作成、集客などに不明な点がある場合は、いつでも相談してもらえればご協力しますので!
地方にマイクロシアターの普及していく日を、一緒に作っていきましょう!