どうも、りょうかん(@ryokan_1123)です。
齋藤孝さん(まんが:岩元健一さん)の「まんがでわかる 福沢諭吉『学問のすすめ』」を読みました。
https://twitter.com/ryokan_1123/status/1189892231081021448
この本では、明治時代に累計340万部も出版された福沢諭吉の「学問のすすめ」がマンガでわかりやすく紹介されており、日本人の根底に流れる教育的教えを学ぶことができます。
✅ 福沢諭吉や「学問のすすめ」をよく知らない
✅ 仕事が面白くなくて、やりがいを見出せない
✅ 働く意味や生きる目的が正直よくわからない
という人におすすめな漫画です。
✔︎ 「まんがでわかる 福沢諭吉『学問のすすめ』」の概要を解説
✔︎ 現代でも通用する教えを紹介
✔︎ 本書を読んだ個人的な感想
齋藤孝さんの「まんがでわかる 福沢諭吉『学問のすすめ』」ってどんな本?【概要】
「まんがでわかる 福沢諭吉『学問のすすめ』」は、2016年9月8日に発売された書籍です。
全167ページの本で、そのうち9割は漫画になっています。なので、集中して読めば【約1.5時間】ほどで読み終えることができるかなと。
ザックリと内容を紹介すると、
・主人公の三田造がタイムスリップして福沢諭吉と出会い学ぶ物語
・当時の時代背景と共に「学問のすすめ」の内容が紹介されている
・各章で引用された文章は章末で現代語訳と解説が掲載されている
という感じです。基本的には漫画でストーリが進むのでサクサク読めるんじゃないかなと!
著者の「齋藤孝さん」と作画の「岩元健一さん」ってどんな人?
著者の「齋藤孝さん」と「岩元健一さん」のプロフィールも紹介しておきます。
齋藤孝(さいとうたかし)
・1960年生まれ 静岡県出身
・東京大学法学部 卒業
・東京大学大学院教育学研究科 博士課程 修了
・専門は「教育学」「身体論」「コミュニティ論」など
岩元健一(いわもとけんいち)
・鳥取県出身
・東京都内の専門学校で講師を務める
・主な作品には「まんがで読む 古事記」や「LV999の村人」などがある
齋藤孝さんは、さまざまな古典にも精通しており、他の古典についての書籍も出版しています。合わせて参考にしてみてください。
「まんがでわかる 福沢諭吉『学問のすすめ』」の目次は?
目次は下記の通りです。
はじめに まんがを読む前に知っておきたい福沢諭吉のこと
第1話 出会い
〜 有様の不同なるが故にとて他の権利を害するにあらずや 〜
第2話 現代へ
〜 天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず 〜
第3話 再会
〜 我心をもって他人の身を制すべからず 〜
第4話 学ぶとは
〜 賢人と愚人との別は、学ぶと学ばざるとに由って出来るものなり 〜
第5話 友情
〜 人に先って事をなすには正にこれを我輩の任と言うべきなり 〜
エピローグ 独立
〜 独立とは、自分にて自分の身を支配し、他に依りすがる心なきを言う 〜
現代でも通用する「学問のすすめ」の教え【紹介】
そもそも「学問のすすめ」って?
大前提として、福沢諭吉の書いた「学問のすすめ」の基礎情報をまとめておきます。
学問のすすめ
・1872年(明治5年)から1876年(明治9年)にかけて17篇の小冊子として出版
・17篇あわせて計340万部も販売されたベストセラー本
・独立の手段として「学問」を勧めている
・実際の生活に役立つ科学的実証的な学問(実学)を推奨している
『論語』が道徳のようなあやふやなものを示しているの対し、『学問のすすめ』では実用的な教えを中心に示していることが特徴です。
賢い人間とそうでない人間との差は?
で、「学問のすすめ」のメッセージを強烈に示す教えは、初篇に書かれています。
それがこちら。
賢人と愚人との別は、学ぶと学ばざるとに由って出来るものなり(初篇)
現代語訳すると、
賢い人間とそうでない人間の差は「学ぶ」か「学ばないか」で決まる
という感じになります。
学ぶ人と学ばない人の差をもっと詳しく解説すると?
さらに、初篇にはこのような一文も載っています。
ただ学問を勤めて物事をよく知る者は貴人となり富人となり、無学なる者は貧人となり下人となるなり(初編)
現代語訳は、
しっかり学問をして物事をよく知る人は社会的地位が高くなり豊かになり、学ばない人は貧乏で地位が低い人になる
という感じ。「貧乏になりたくなければ学べ」と言っていることと同義です。
独立とは「自分の支配」と「他人への非依存」である
そして、『学問のすすめ』では【独立】を目的のひとつに掲げています。
で、独立について、下記のように定義されています。
独立とは、自分にて自分の身を支配し、他に依りすがる心なきを言う(第3篇)
ほぼ意味は伝わると思いますが、現代語訳すると、
独立とは、自分の身を自分で支配して、他人に依存する心がないことを言う
ということ。「自分の支配」と「他人への非依存」が独立のキーワードと言えるかなと!
独立の気概のない者は・・・??
また、第3篇では【独立】について他にも言及されています。
独立の気力なき者は必ず人に依頼す。
人に依頼する者は必ず人を怒る。
人を怒るる者は必ず人に諛うものなり。(第3篇)
これは、
独立の気概のない者は、必ず人に頼ることになる。
人に頼る者は、必ず人を恐れるようになる。
人を恐れる者は、必ずその人間に諛うようになる。
という意味になります。
(ちなみに、「諛う」とは、人が気に入るように振る舞う様を言います)
つまり、「他人を頼る人・何かを恐れる人・誰かに諛う人」はちゃんと学んでいないということになるのかなと。
他にも、漫画のストーリーに合わせて『学問のすすめ』の教えが紹介されているので、ぜひ実際に読んでサラッと学んでみてください!
「まんがでわかる 福沢諭吉『学問のすすめ』」を読んだ感想【書評まとめ】
この記事では、「【書評】齋藤孝さんの「まんがでわかる 福沢諭吉『学問のすすめ』」で日本の教育に込められた教えを再確認しよう!」について書いてきました。
こちらの書籍を読んだきっかけは、新一万円札に描かれる予定の渋沢栄一さんの『論語と算盤』を読んだことです。
渋沢栄一さんのことを学んでいるうちに、現一万円札の福沢諭吉さんが書いた『学問のすすめ』も読んだことがないなと思い、手に取りました。
ザッと『学問のすすめ』の全体像が掴めた上での感想を述べておくと、「学ぶことの大事さを伝えているのはわかるけど、ちょっと『学ぶことに』に比重を掛けすぎじゃない…??」と感じました。
明治維新後の日本において【リーダー教育】を徹底する必要性があった事実を垣間見たような気がします。
いきなり『学問のすすめ』を読むのに躊躇する人にとっては、漫画でざっくりと内容に触れられる「まんがでわかる 福沢諭吉『学問のすすめ』」はとても入りやすい一冊に感じます。
気になった方はぜひ読んでみてください!
✔︎ 漫画を通して『学問のすすめ』の内容を学べる
✔︎ 当時の時代背景と合わせて福沢諭吉の考えを知れる
✔︎ 現代語訳とその意味の解説も載っている入門編的一冊
というわけで、今回の記事は以上です。
では、また!