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【書評】大村大次郎さんの「お金の流れで読む日本の歴史」で日本史のナゾと今後の国のあり方を『経済視点』で考えてみよう!

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どうも、りょうかん(@ryokan_1123)です。

大村大次郎さんの「お金の流れで読む日本の歴史」を読みました。

この本では、元国税調査官だった筆者によって、日本の歴史(古代から現代史まで)が「経済(お金の流れ)」によって解説されており、これまでと違った視点で歴史の本質に迫ることができます

✅ お金の流れから歴史を学んでみたい
✅ 日本史と経済の関連性に興味がある
✅ 違う角度から日本の歴史を眺めたい

という人に是非とも読んでほしい一冊です。

当記事の内容

✔︎ 「お金の流れで読む日本の歴史」の概要を解説
✔︎ 長く安定して続いた江戸幕府の凄さと壊滅前夜な現代の日本
✔︎ 本書を読んだ個人的な感想

大村大次郎さんの「お金の流れで読む日本の歴史」ってどんな本?【概要】

お金の流れで読む日本の歴史」は、2016年3月11日に発売された書籍です。

全271ページの本なので、集中して読めば【約3時間】で読み終えることができます。

ザックリと内容を紹介すると、

・元国税調査官である著者が日本史を経済の側面から解説している
・古代「倭国」から戦後の「高度経済成長」までの歴史を一挙紹介
・これまでの歴史では見えなかった新たな見方ができるようになる

という感じ。

昨日紹介した「お金の流れでわかる世界の歴史(世界史編)」の続編(日本史編)として出版されており、両方を合わせて読むとより理解が深まります。

【書評】大村大次郎さんの「お金の流れでわかる世界の歴史」を読むと世界史の見え方が変わる!マジで面白い!大村大次郎さんの「お金の流れでわかる世界の歴史」を読みました。この本では、元国税調査官だった筆者によって、世界史が「経済(お金の流れ)」に紐解いて解説されており、これまでと違った視点から歴史の本質に迫ることができます。...

著者の「大村大次郎さん」ってどんな人?

著者の「大村大次郎おおむらおおじろうさん」のプロフィールも紹介しておきます。

大村大次郎(おおむらおおじろう)
・元国税調査官
・国税局に10年間勤務(主に法人税担当調査官として)
・退職後、ビジネス関連を中心としたフリーライターとして活動
・ベストセラー本「あらゆる領収書は経費で落とせる」などを出版
・学生の頃からお金や経済の歴史を勉強して30冊以上を出版(別のペンネーム)

今回紹介する「お金の流れで読む日本の歴史」は、大村大次郎の名前で刊行した2冊目の歴史関連書になるようです。

ちなみに、「お金の流れ〜」のシリーズは他にも複数出版されているので、合わせて読んでみてください。

 

「お金の流れで読む日本の歴史」の目次は?

目次は下記の通りです。

はじめに
「お金」を通して読むと、日本史がこんなに「人間臭く」なる!

第1章 古代から日本は “技術大国” だった!

第2章 武家の台頭 — これは社会経済の大改革だ

第3章 信長の関税政策、ザビエルの思惑、信玄の経済的ハンデ

第4章 「江戸時代が260年続いた」本当の理由とは?

第5章 明治維新を成功に導いた「お金の強い力」

第6章 日清・日露戦争、「戦費」はどう賄ったのか

第7章 太平洋 “経済” 戦争!当事者たちの懐事情は?

第8章 高度成長とバブルの “収支決算” をしよう

あとがきに代えて

りょうかん
りょうかん
全部の章が面白かったですが、特に「あとがき」が秀逸なので絶対に読んでほしい…!!

 

お金の流れでわかる「江戸幕府の凄さ」と「現代日本の悲惨さ」を紹介【抜粋】

お金の流れで読む日本の歴史」を読んで印象的だったのが『明治維新の前後』『現代の日本社会』について書かれた部分でした。

お金の流れでわかる「江戸幕府の凄さ」

まず、江戸幕府が長きにわたり大きな騒乱なく続いた理由がスゴいんです。(260年間も社会の仕組みがほとんど変わらなかったのは世界史的にも珍しい)

ひとつは、農民&町人に対する税負担が少なかったこと。世界史編でも「国民が重税に苦しめられる国は長く続かない」というのが定説でしたね。

そして、もうひとつが、支配層の武士に対する救済処置を幕府が定期的に実施していたこと。社会が豊かになるほどに家計が苦しくなるシステムだった武士は、商人に多くの借金をしていましたが、幕府の改革により50年に1度のペースで借金が帳消しになっていたと言います。

世界史編でも、中世ヨーロッパで国王が借金を返せずに金融商人たちに首を握られるパターンが書かれていましたが、江戸幕府では借金の帳消しを行い、そのたびに貸金業者に対して特別融資による手当を出すことで金融不安が起きないように工夫していたらしいです。

りょうかん
りょうかん
江戸時代から明治初期の政策の秀逸さは一見の価値がありますよ!マジで!

お金の流れでわかる「現代日本の悲惨さ」

で、章としては用意されてませんが、「あとがきに代えて」に書かれた『お金の流れで読む現代の日本』がなかなかにヤバいです・・・

最大のヤバさは【経済政策の誤り】かなと。

バブル崩壊以降の日本では「富裕層を優遇する」という政策を取っていますが、お金の流れで歴史を読み解くと、この悪手っぷりがよく理解できます

 

2000年代には、史上最長の好景気があったにも関わらずサラリーマンの平均給与は下がりました。その一方で、所得1億円以上の所得税率は、1980年の75%から、現在は40%まで引き下げられています。(いわゆる富裕層の優遇制度)

また、2006年には長者番付制度が廃止されたことで、富裕層への社会的な監視が緩み、大企業の役員などへの高額報酬が増える結果となっているそうです。

スイスの大手金融機関「クレディ・スイス」の公表した『グローバル・ウェルス・レポート』によると、日本人の中で金融資産を100万ドル以上保持している人数は、

2004年:134万人
2013年:273万人

となっており、日本の億万長者数は約10年でほぼ倍増しているのだとか。

つまり、富裕層がより富めるような経済政策を実施しているのが現代の日本です。

で、これが悪手だというわけ。

 

世界の国々や日本の歴史を眺めると、「特定の人たちだけが潤うような世の中は必ず長続きしない」というのが共通項です。

もし日本の政策が今の方針のまま続いていくとすると・・・、あとは言わなくてもわかりますよね?

りょうかん
りょうかん
歴史的には「雇用を重視する経済政策」を採るのが最善手です。つまり、賃金を上げることで経済を良くする方針こそが歴史的な正解じゃないかなと!

 

他にも興味深い内容がたくさん詰まっているので、ぜひ一読してみてください!

「お金の流れで読む日本の歴史」を読んだ感想【書評まとめ】

この記事では、【書評】大村大次郎さんの「お金の流れで読む日本の歴史」で日本史のナゾと今後の国のあり方を『経済視点』で考えてみよう!について書いてきました。

昨日の「お金の流れでわかる世界の歴史」の流れで読んでみましたが、こちらの日本史編もめちゃくちゃ面白かったです!!

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読んでもっとも強く感じたのは、「歴代日本の経済システムの秀逸すぎてビビる」ということと「江戸時代から明治初期の志士たちのインプット&アウトプットの凄さ」でした。

現代を含めた第二次世界大戦以降の日本だけを見ていると、欧米文化を後追いして真似している印象が強いですよね?

ですが、それ以前の日本人は本当に優れた独自経済システムをしっかりと構築していたんです。これを知れるだけでも、なんだか凄く勇気をもらえるような感じがしました。

これまでの歴史の概念がガラッと変わるめちゃくちゃ面白い一冊ですので、ぜひ読んでみてください!

本書の内容まとめ

✔︎ 古代から現代までの日本史をお金の動きで解説している
✔︎ 従来の歴史観とは違う視点で日本の歴史を分析している
✔︎ 今の日本における経済面の懸念点を考えることができる

 

というわけで、今回の記事は以上です。

では、また!

 

ABOUT ME
りょうかん
1990年11月 鳥取市生まれ / ブロガー兼WEBライター / 鳥取と熱海の二拠点生活中 / ✍毎日noteを書いてます / Amazonほしいものリスト / お仕事のご依頼は こちら を参照ください