どうも、りょうかん(@ryokan_1123)です。
大村大次郎さんの「お金で読み解く明治維新」を読みました。
この本では、元国税調査官だった筆者が、幕末の動乱から明治維新に至る動きを「経済状況(お金の流れ)」で分析解説しており、これまでと違った視点で激動の時代を学ぶことができます。
✅ お金の流れから歴史を学んでみたい
✅ 明治維新の経済的側面に興味がある
✅ 違う角度から歴史の裏側を眺めたい
という人に是非とも読んでほしい一冊です。
✔︎ 「お金で読み解く明治維新」の概要を解説
✔︎ 明治維新で「損をした人」と「得をした人」を紹介
✔︎ 本書を読んだ個人的な感想
大村大次郎さんの「お金で読み解く明治維新」ってどんな本?【概要】
「お金で読み解く明治維新」は、2018年3月9日に発売された書籍です。
全227ページの本なので、集中して読めば【約4時間】で読み終えることができます。
ザックリと内容を紹介すると、
・元国税調査官の著者が明治維新を経済の側面から解説している
・幕末から明治維新にかけての財政状況から歴史の裏側を紐解く
・これまで発想しなかった新たな歴史の見方ができるようになる
という感じ。
特に『明治維新の前後で大量の「ニセ金」を幕府も諸藩もこぞって製造していたこと』なんて絶対に学校の授業じゃ教えてくれないけど、めちゃくちゃ重要なポイントじゃないかなと!
著者の「大村大次郎さん」ってどんな人?
著者の「大村大次郎さん」のプロフィールも紹介しておきます。
大村大次郎(おおむらおおじろう)
・1960年生まれ 大阪府出身
・元国税調査官
・国税局に10年間勤務(主に法人税担当調査官として)
・退職後、ビジネス関連を中心としたフリーライターとして活動
・ベストセラー本「あらゆる領収書は経費で落とせる」などを出版
・学生の頃からお金や経済の歴史を勉強して30冊以上を出版(別のペンネーム)
・完全図解版 税務署員だけのヒミツの節税術ーあらゆる領収書は経費で落とせる【確定申告編】
・税金を払わずに生きてゆく逃税術
・フリーランス&個人事業主 確定申告でお金を残す! 元国税調査官のウラ技
ちなみに、「お金の流れ〜」のシリーズは他にも複数出版されているので、合わせて読んでみてください。
「お金で読み解く明治維新」の目次は?
目次は下記の通りです。
はじめに
第1章 幕府も諸藩も破綻寸前
第2章 財政再建を果たしていた薩摩と長州
第3章 第三の勢力「海援隊」とは?
第4章 幕府財政を立て直した怪物
第5章 長州征伐でついに幕府が財政破綻
第6章 大政奉還と戊辰戦争の金勘定
第7章 幕末経済を動かした「ニセ金」
最終章 維新で誰が得をして誰が損をしたのか?
おわりに
明治維新で「損をした人」と「得をした人」とは?
「お金で読み解く明治維新」の最終章で書かれている内容が最も重要なポイントだなと思うので、まとめておきます。
明治維新で「損をした人」とは??
まず明治維新で「損をした人」として真っ先に思い浮かぶのは『商人』かなと。
というのも、江戸時代において商人にはほとんど税金が課せられておらず、稼げば稼ぐほど富めていた状態でしたが、明治維新において税金による負担が発生するようになってしまいました。
さらに、明治維新後にも、幕末の戦争時に藩や旧幕府に対して貸し出したお金のほとんどを棒引きさせられてしまい、大きな損失を被ったと言います。
また、明治維新で損した人として盲点なのは『武士』です。実情を整理すると、商人よりも損をしているんじゃないかなと。
明治維新と言うのは『武士階級が外国の脅威から日本を守るために起こした革命』なので、明治政府には武士たちが多く登用されたのかと思いがちですが、実際は、
・武士階級の特権のはく奪
・治めていた領地の取り上げ
・政府官職に就けたのは全体の16%だけ
という状況で、ほとんど損することしかなかったようです。
明治維新で「得をした人」とは??
逆に、明治維新によって最も得をしたのは『農民』だと言います。
というのも、明治政府によって下記のような農民への優遇政策が実施されたからです。
地租改正
→ 収穫高に応じて年貢率が定められていた江戸時代の年貢制から、江戸時代の年貢率と同等もしくは若干低めの定額土地税制に変更されたことで、生産性を高めるインセンティブが増した
交付壬申地券の発行
→ 藩のものだった耕作農地の所有権を農民自身に無料で与える、事実上の農地解放が行われた
要は、『タダで農地がもらえた上に、以前よりも税負担が軽くなった』ということになります。
しかも、移動の自由や職業選択の自由なども与えられたので、武士階級の人たちと比べると本当にプラス要因しかありません。
このように、明治維新は「薩長を中心とした武士階級によって起こされた革命だが、その武士階級が自らの既得権益を手放し、国民に対して各種の自由と権利を与えて近代化を果たした」という側面が、本書を通して学べます。
その裏に隠された財政の破綻っぷりや資金調達法などもめちゃくちゃ面白いので、ぜひ読んでみてください!
「お金で読み解く明治維新」を読んだ感想【書評まとめ】
この記事では、「【書評】大村大次郎さんの「お金で読み解く明治維新」を読むと幕末の金欠感と綱渡りっぷりがよくわかる!」について書いてきました。
読み終わったときの素直な感想は、「幕末、みんなカネが無さすぎワロタ」&「みんなニセ金を作りすぎヤバス」でした(笑)
江戸幕府側も、本来は財政力のある薩長側も、それ以外の諸藩も、浪人志士たちも、明治維新に関わるほぼ全ての人たちが財政的に破綻寸前だったんですね。
明治維新そのものも、ギリギリの綱渡り状態で成し遂げられた奇跡的な革命だったんだなと実感させられました。
きらびやかな美談で語られることの多い明治維新ですが、その裏に隠れたお金の流れを読むと当時の混乱っぷりを垣間見ることができて面白いです。
副題の「教科書には書けないヤバすぎる幕末史」の言葉そのままな内容で超絶勉強になるので、ぜひ読んでみてください!
✔︎ 明治維新に関わる人たちの財政状況を紐解いて解説してる
✔︎ 江戸幕府も薩長藩もニセ金を作っていた衝撃な事実を知れる
✔︎ 常識的に語られてきた幕末史とは違う視点の歴史を垣間見れる
というわけで、今回の記事は以上です。
では、また!