「やりたいことがあれば仕事は生み出せると言われた」 小宮聖子が語る尾道のキーパーソンとは?

2017年5月28日インタビュー, 尾道

どうも、りょうかん(@ryokan_1123)です。

現在滞在中の尾道は、街中が移住者で溢れている全国でも珍しい街です。

尾道の何が移住者の心を惹き付けてるのか、少しずつ核心に迫るべく実際に移住して来た人にインタビューをしているこの企画。


第三弾の今回は、第一弾の濱田さんと同じくあくびカフェースタッフの小宮聖子さん。

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小宮 聖子
2014年1月に東京から尾道に移住。
尾道ゲストハウス あなごのねどこ併設の「あくびカフェー」スタッフ。

移住して1年経ったかな

良寛 まずは簡単に自己紹介をお願いできますか?

小宮 小宮聖子(こみやさとこ)です。あくびカフェーのスタッフです。

良寛 どちらから移住ですか?

小宮 出身は神奈川なんですけど、最後に住んでたのは東京でした。なので、東京から引っ越してきました。

良寛 尾道に来たのはいつ頃ですか?

小宮 引っ越ししたのは今年の1月ですね。

良寛 移住して10ヶ月ぐらい。

小宮 そうですね。去年の10月にあなごのねどこのヘルパー※1をしていたので、そういう意味では1年経ったかな〜っていうぐらいですかね。

※1 ヘルパー
 フリーアコモデーションスタッフのこと

 

広島か尾道か悩んだけど

良寛 元々は何をされてたんですか?

小宮 元々は舞台音響でお芝居の裏方をやってました。

良寛 それは何年ぐらい?

小宮 10年ぐらいかな。

良寛 10年!?

小宮 一応フリーランスで10年やってて、食えないからちょこちょこ飲食でバイトとかもしてたので、まあ飲食歴も長い(笑)

良寛 (笑) 尾道はどういう縁で来たんですか?

小宮 んー。よく聞かれるんだけど、よくわからなくて(笑)

良寛 (笑)

小宮 たぶん大林監督の映画がきっかけ。中学生とか高校生の時に見た『ふたり』とは『あした』とか『新尾道三部作』をちょっとだけ見て、雑誌でも『あした』の特集があったんですよ。それで、「こういう所があるんだ」ってのが意識にあって。で、23, 24歳の頃に仕事で旅公演に音響スタッフ1人だけで就かないといけなくて、それまで一人旅もしたことがなかったので、「旅というものはどういったものか」と一人旅をしてみようと。

良寛 旅公演って、旅を題材にした公演?

小宮 いやいや、旅回りの公演。

良寛 あー、なるほど。

小宮 やっぱ23, 24歳って若いから不安で。その前に一人旅をしておこうと思って。その時になぜか浮かんだのが、倉敷とか尾道とかで。それで初めて来たのがその時ですね。

良寛 あれ。失礼ですけど、今おいくつでしたっけ?

小宮 31歳。

良寛 じゃあそれが7年前ぐらい。

小宮 そう。

良寛 その時に初めて尾道に来て、その後は定期的に来ていたんですか?

小宮 そうですね。最初来た時は、滞在時間も1泊2日とかで。すごい全部歩き回ったりはしてないんですけど。でも、ガイドブックに載ってたチャイダー※2には行って、チャイダーに行ったら最初の頃は本当にご縁がなくて。行ったら定休日でさ。定休日なんだけど村上さん※3が中にいて、「来ちゃったんだったらしょうがない。飲んでく?」みたいなことが何回かあって。その時に、覚えてないだろうけどトシさん※4に会ったりとか、宝土寺のご住職に会ったりとか、あそこのカフェで地元の人と交流する機会があったからね、村上さんを通して。そういうのがあると「また来よう」ってなるじゃん。

良寛 そうですね。

小宮 景色もすごいしっくりきて。そこから一人旅にハマったんですよね。また(一人旅に)行ってみようってなった時に、広島も好きだったから広島市に行ったら、帰りに寄れるじゃないですか。みたいなところで、年に1回は通うようになり、それが年に2回、3回、4回となり、いつか住みたいな〜って思って。最後まで広島か尾道かって悩んでたんだけど……、まあ来ちゃった(笑)

※2 チャイダー
 お茶とサイダーが奇跡のハーモニーを奏でるチャイサロンドラゴンの人気ドリンク
 本来は商品名だが、多くの人がチャイサロンドラゴンというお店を”チャイダー”と呼んでいる

※3 村上さん
 チャイサロンドラコンのお店の店長
 ヒロさんと呼ばれることが多い

※4 トシさん
 映画「スーパーローカルヒーロー」の監督・田中トシノリさん

 

「やる気があれば何でも出来るや」

良寛 尾道に最初に来た時はヘルパーしてたんですか?

小宮 そうですね。35歳までには尾道に来ようと思ってたんですよ。それまでに私の人生に何も無ければね(笑)

良寛 (笑)

小宮 結婚とかね。結婚とかすればたぶん変わるな、とは思ったんだけど、結婚とかしなかったら35歳までには住みたいなと。元々音響は30歳で辞めるつもりだったから。

良寛 そうなんですか?

小宮 40歳までする仕事じゃないと思って。

良寛 それは最初からそう思ってたんですか?

小宮 20歳の頃から決めてた。それはあんま大きな声では言えないけど、仕事始めた時に10個上の先輩とかがけっこういて自分の10年後が見えて、「こうはなりたくないな」って思って。あと30歳が近づいてきて10個上の人を見て、「これはなれないな」っていうのもあったし。自分のやりたいことも違ってきて。いろいろ考えるわけですよ。で、30歳で辞めようと思って。

良寛 ほうほう。

小宮 それから、これを辞めたら次は尾道に、もしくは広島に行こうと思ってて。1年ぐらい東京でぶらぶらバイトしながらこっちに来て広島に1週間ぐらい滞在しながら家を探してみたりとか、村上さんに相談したりとかしていて。そうすると「仕事はない」「就職先はない」って言われたんだけど。でも、そういう意味では、私は10年間ふらふらしてきたわけですよ。だから、「就職じゃなくていいや」「バイトでも何でもいいから」と思った時に、前に泊まったあなごのねどこがヘルパー募集してるよって言われて。で、ちょうど自分の体が空いた時期とヘルパーを募集している時期が重なって。

良寛 なるほど。

小宮 で、1番背中を押されたのが、去年の夏に島根に行ったんですけど。パサールっていうところに。

良寛 パサール?

小宮 うん。満月海岸っていう。元々尾道に住んでた方々がそこで縄文時代みたいな生活をしていて。ほんと全部手作りで生活している場所があって、そこにWWOOFで行ったんですけど。その時に、「やる気があれば何でも出来るや」「やろうと思えば工夫して生きていける」って思って。

良寛 つるさん※5も本の中で言ってましたね(笑)

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小宮 (笑)「なんとでもなるや」って思ったのが、すごい力になって、背中を押されて、ヘルパーで来て、そしたらカフェの人手が足りないっていう時期で「やる?」みたいになり、「シェアハウス作ってるんだけど、住む?」みたいになり、今に至る。

良寛 じゃあ最初は本当にヘルパーしか決まってない状態で来たんですね。

小宮 そうそう。ヘルパーで1ヶ月いることは決まってたから、その間で仕事を探そうと思って。顔も繋げれるいい機会だ、って。私、下心ありありで来たよ(笑)

良寛 (笑)

小宮 来たその日に豊田さん※6に言ったもんね。「尾道住みたいんです!」って。

良寛 その時にカフェが空いてるって話は聞いたんですか?

小宮 いやいや、1週間、2週間後ぐらいに、「バイトとか募集してるところないですか?」って豊田さんに聞いてて。ちょうどその頃ミーティングがあったんだと思うんだけど、たぶん『誰々も辞めるし、つるさんも腰が悪し、俺もシフト減らしたいし』みたいな時期だったんだよ、きっと(笑)

※5 つるさん
 あなごのねどこの初代寝床長
 本業は漫画家で、つるけんたろうの名前で『0円で空き家を東京脱出!』を出版

※6 豊田さん
 NPO法人空き家再生プロジェクトの代表


一人暮らしの家は繋がりから

良寛 それから1年ぐらい経って、今は一人暮らしですよね?

小宮 一人暮らしですね。尾道に来たからには山手に住みたくて。それに私はシェアハウスよりも一人暮らし向きの人間なので(笑)

良寛 イベント嫌いですもんね(笑)

小宮 そうそう。イベントとかあんまり好きじゃないからね〜。みんなで仲良くとかね、けっこう苦手なんよね(笑)

良寛 (笑) その家はどうやって見つけたんですか?

小宮 いろんな人に「一人暮らししたいんですよね」って言ってたのと、不動産屋さんも一回行ったんだけど不動産通すと高いってのがあって、そういうのもいろんな人に言ってたら、「ちょうど引っ越す家があるよ」って言われて。マルさんって言う元スタッフの家だったんだけど、そこを紹介されて行ってみたら、ちょっと広すぎて家賃も高すぎて。「今回は辞めます」って言ってたら、そこの奥様から「その物件に住む人が決まったんだけど、その人が住んでた家が空くから、そこどうですか?」って話があって(笑)

良寛 おぉ!すごいっすね(笑)

小宮 行ってみたら、最初に紹介された物件よりは小さくて家賃も安くて、「いいですね〜」って言ってたら、「実はうちの隣も空いてるんです」って言われて。まあ、全部同じ長屋なんだけど(笑)

良寛 (笑)

小宮 それで、契約の時に大屋さんに「隣の家も空いてて、もっと小さいって聞いてるんですけど」って言って見せてもらったら、ちょうどいいサイズだし、庭はあるし、縁側あるし、理想だわ!って思って。「ここがいいです!」って。

良寛 即決!

小宮 そう、即決。

良寛 そこに移ったのはいつ頃なんですか?

小宮 今年の5月。

良寛 じゃあ一人暮らしを始めて半年ぐらいですね。どうですか、一人暮らしは?

小宮 快適です。快適だね。快適だよ!(笑)

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村上さんが惹き付けてる

良寛 最近尾道に移住してくる人が多いですけど、尾道の何が惹き付けてるんですかね?

小宮 知らな〜い。そういう意味では、私はブームとか知らないからさ。ブームとか関係ないところでふつふつと溜めてきた人だから。

良寛 確かに。

小宮 でも移住が流行り出してきたのは、やっぱ地震じゃない? 大震災で生活をガラッと見直そうっていう流れは絶対一つにあって。関東から人が流れ出したなって感じたのはそれなんだよね。そういうときに尾道って受け入れる体制もあるし、元々がちょっとした観光地みたいな所じゃん。だから新しい人たちが入って来ても、そんなに「嫌だ!」っていう風潮はないだろうし。

良寛 なるほど。凄い拒否反応を示すこともないし。

小宮 それに、私たちよりも先に移住して来た人、例えば村上さんだって松永の人だしさ。30代半ばから後半ぐらいの人たちが凄い元気だからじゃないかな。それに憧れてくる若者たち、みたいなのはあるのかな。

良寛 なるほど、なるほど。

小宮 それにやりたいことがあったらみんなが協力してくれる土地柄じゃないですか。いい意味でも悪い意味でもお節介な土地だと思うし。田舎にしては(笑)

別スタッフ そうですね。誰かしらに会えば話は聞けるし、その話を繋げる人もいっぱいいるし。

小宮 なんか困ってる人があそこにいるらしいよ、みたいな。1人に言ったら10人ぐらいに広まってる!みたいな。コミュニティの狭さもあるかもしれないね、いい意味で。

良寛 そうですね。

小宮 空きP(空き家再生プロジェクト)に話をしたらチャイダーに繋がったりとか、チャイダーからこっち来たりとか。イベントもそうだし。繋がりがあるからじゃないかな。

良寛 繋がりは確かにありますね。

小宮 「住みたい」って思ってたら「来れば?」ってみんなに言うから。「働けば?」「楽じゃないけど」って。

良寛 みんな言いますよね。

小宮 だから……、お節介な人が多いからだからだと思います!

良寛 元々多いんすかね?

小宮 知らん(笑) でも、6年前からはあるよね。私が初めに来た時からは。「次どこ行くの?」とか「どこどこ行ったらどこどこ行け」みたいな。そっから繋がっていったり。

良寛 チャイダーは『旅人ホイホイ』って呼ばれてますしね。

小宮 て言うか、村上さんじゃない?

良寛 おっ。村上さんが核だと。

小宮 私にとってはそうだね。いろいろなきっかけをくれた人ではあるから。ちゃんと現実も教えてくれたし。仕事ないよーとか。でも、「やりたいことがあれば仕事は生み出せるから」っても言われた。

良寛 それ、僕も言われました。

小宮 だから、ある意味、あくびカフェーという組織の中だけど確かに仕事を生み出して来たなっていう自負はある! この半年間ね。まあこれは余談だけどね(笑)

良寛 (笑)

 

あの家がある限りはいるんじゃないかな

良寛 今後は尾道にずっといるつもりなんですか?

小宮 先のことはわかりません。

良寛 とりあえずしばらくはいるって感じですか?

小宮 まああと1年ぐらいはいるんじゃない? 東京に戻りたくないかって言われればゼロではないし。そりゃ過ごした時間が違うから。あっちで30年間生きてるわけだから。そりゃ戻りたくなる瞬間はちょいちょいありますけど、まあでも、あの家がある限りはいるんじゃない?(笑)

良寛 今住んでる家がある限り。

小宮 今住んでる家は本当にいいよ。

良寛 べた褒めじゃないっすか(笑)

小宮 今朝とかネコに起こされたからね。入ってくるんじゃねーよ、って。

良寛 (笑) いいっすね! 今日はありがとうございました。

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2017年5月28日インタビュー, 尾道

Posted by りょうかん