どうも、りょうかん(@ryokan_1123)です。
山川徹さんの「国境を越えたスクラム – ラグビー日本代表になった外国人選手たち」を読みました。
この本では、代表選手に国籍を問わないラグビーにおいて、海外出身の選手がなぜ日本代表を選ぶのか。過去の代表選手たちのインタビューを元に、その理由を歴史的な流れとともに解説してくれています。
✅ W杯の活躍でラグビーを好きになった
✅ 試合を見てて外国人出身選手が気になる
✅ もっと深く日本ラグビーの歴史を知りたい
という人にぜひ読んでほしい一冊です。
「国境を越えたスクラム」には、
・国の代表選手に選ばれる条件
・多国籍選手がOKとなった理由
・オールブラックスの名前の由来
・日本代表が強くなるきっかけ
・感動するラグビートリビア
という内容がいたるところに散りばめられています。
せっかくなので、その一部を紹介してみようかなと。
というわけで、この記事では「【書評】なぜラグビー日本代表は多国籍なの?感動的な答えが「国境を越えたスクラム」に書かれてた」などについて書いていきます。
✔︎ 「国境を越えたスクラム」の概要を解説
✔︎ ラグビーの知られらるエピソードを紹介
✔︎ 本書を読んだ個人的な感想
山川徹さんの「国境を越えたスクラム」ってどんな本?【概要】
「国境を越えたスクラム – ラグビー日本代表になった外国人選手たち」は、2019年8月7日に発売された書籍です。(2019年W杯開幕前の発売)
全284ページの本で、集中して読めば【約2.5時間】ほどで読み終えることができます。
ザックリと内容を紹介すると、
・元ラガーマンの筆者が歴代の海外出身選手にインタビューしている
・外国人選手が生まれ故郷ではなく日本代表を選んだ理由をまとめている
・多様なルーツを持つ人が増える今後の日本社会にとって大事な精神を学べる
という感じ。特に『歴代の外国人選手たちの語るエピソード』が感動の連続なので、マジで一読してみてほしいです!
目次は下記の通り。
プロローグ
第1章 トンガからの留学生
第2章 1989年と2015年のトライ
第3章 14歳のパイオニア
第4章 なぜ、桜のジャージなのか
第5章 外国人初の日本代表キャプテン
第6章 楕円球がつくった出会い
第7章 日本代表を憧れのチームに
エピローグ
なぜラグビー日本代表は多国籍なのか?【トリビア】
「国境を越えたスクラム – ラグビー日本代表になった外国人選手たち」で書かれていた物語の中から、特に感動した下記の5つのエピソードを紹介します。
・国の代表選手に選ばれる条件
・多国籍選手がOKとなった理由
・オールブラックスの名前の由来
・日本代表が強くなった最大の契機
・史上最大の番狂わせに隠された秘話
ラグビーの代表選手に選ばれる条件は?
意外と知らないと思いますが、「なぜ日本代表に日本以外の国籍を持つ人が!?」と感じている人も多いはず!
知識として知っておくと良いので【代表になる条件】を紹介しておきます。
【ラグビーの代表選手になる条件】
① 自身の出生地がその国であること
② 両親と祖父母のうち1人がその国の出身であること
③ その国で「3年以上の継続居住」か「通算10年間の居住」
この3つの条件のうち1つでも満たせば、国籍の異なる国の代表でもプレーすることができるとのこと。
多国籍選手でも代表になれるようになった理由は?
では、なぜラグビーでは多国籍選手が代表になれるようになったのでしょう。
その理由は『ラグビーの発祥地』にあります。
ラグビーは19世紀にイングランドで誕生し、イギリスで発展しました。
そして、1871年から、
・イングランド
・スコットランド
・アイルランド
・ウェールズ
の4ヵ国による対抗戦が実施されるようになったらしく、この4ヵ国が互いに隣り合う国だったため住民同士の往来が盛んだったため、国籍にこだわらない発想が生まれてきたそうです。
また、イギリス(大英帝国)の植民地にラグビーが普及する中でも、人も行き来が頻繁だったので、そのルールが定着していったのが通説とのこと。
ニュージーランド代表「オールブラックス」の名前の由来
ラグビーの試合を見ていると、ニュージーランド代表が『オールブラックス』という通称で呼ばれているという話が耳に入ってくることがあります。
しかし、その由来まで知らない人も多いのではないでしょうか。
確実な由来はわかっていないそうですが、
❶ 黒のジャージを身にまとっているから(もっともポピュラーな説)
❷ 1905年の北半球遠征で34勝1敗という衝撃の戦績を残し、その姿を見た新聞記者が「15人全員バックスのような走力とテクニックを持っている」と感じ、『オールバックス(ALL BAKCS)』と書いたが、誤植により『オールブラックス(ALL BLACKS)』になった説
❸ 上記の説において、編集者が黒ジャージとかけて、あえて『オールブラックス(ALL BLACKS)』と表記した説
の3つが定説になっているようです。
日本代表の強化は「1995年の歴史的大敗」から始まった!?
日本で開催されている2019年W杯では日本代表が快進撃をしています。
優勝候補の強豪国を圧倒するぐらいの試合運びをしており、「ラグビー日本代表ってこんなに強かったの!?」と感じている人も多いと思います。
しかし、歴史的には、日本は世界の「プロ化」の流れに乗り遅れた国であり、強豪国と比較するとその実力は大人と子どもぐらいの差がありました。
そんな日本が代表強化に強く舵を切るきっかけがあったと言います。
それが
1995年 第3回W杯
ニュージーランド戦
でした。
この試合で日本は【17対145】という悲惨すぎる点差で惨敗します。相手に「21トライ」を決められる衝撃ですよ・・・
この歴史的な敗戦により、日本ラグビー界は変革の必要性を強く突きつけられ、ドメスティックな決断をすることができたそうです。
2015年W杯「史上最大の番狂わせ」の裏にあった感動秘話
2015年W杯で強豪・南アフリカに勝利した『史上最大の番狂わせ』は、記憶に新しいはずです。
しかし、その試合前、代表選手たちの元に国内のトップリーグの全チームからの応援メッセージが届いたことは、意外と知られていないように思います。
このメッセージには、
① 代表メンバーに「仲間たちが応援しているぞ!!」と実感してもらう意味
② 国内ラグビー選手たちに「代表と繋がっている!!」と感じてもらう意味
の2つの意味があったそうですが、これにより【日本代表はオレたちの代表】という意識が強くなり、2019年W杯の躍進に繋がったと思うと、感慨深いものが湧き上がってきます。
こんな感動するエピソードがたくさん詰まっているのが「国境を越えたスクラム – ラグビー日本代表になった外国人選手たち」です。
「国境を越えたスクラム」を読んだ感想【書評まとめ】
この記事では、「【書評】なぜラグビー日本代表は多国籍なの?感動的な答えが「国境を越えたスクラム」に書かれてた」について書いてきました。
正直、ラグビーに関心を持ち始めたのは、2019年の日本開催ワールドカップの影響が強いです。あれほど感動的な試合をされたら否が応でも興味を持ってしまいますよね。
しかし、「日本ラグビー界の歴史はちゃんと知らないな・・・」と思い、手に取ったのが『国境を越えたスクラム』でした。
で、めちゃくちゃ感動しました。何度も涙腺が緩んでしまったのはここだけの話です。
日本国籍を持たない選手が日本代表に誇りを持って戦っている。
ただでさえ感動的な試合をしているのに、その裏にあるエピソードや歴史を紡いできた人たちの顔を知ってしまうと、次からの試合に対する応援にも熱が入るというものです。
最後に、最も印象的だった「リーチ・マイケル」の言葉を紹介して終わります。
「高校二年生の時に、ニュージーランドの実家が火事になってしまったんです。心配していると、実家からメールが届きました。ぼくには何も言わず、高校の監督が北海道のラグビー関係者の方たちに声をかけて集めた義援金を実家に送ってくれていたんです。本当にありがたかった。高校でも大学でもたくさんの人のお世話になった。その恩はラグビーで返すしかない。何があっても、日本以外の国の代表になるわけにはいかないと思いました」
W杯で盛り上がっているこのタイミングだからこそ、日本ラグビー界が歩んできた歴史を知るチャンスです。
いま読むからこそ心に響く書籍ですので、「国境を越えたスクラム」をぜひ読んでみてください!
✔︎ 日本ラグビー界の歩んだ歴史を知れる
✔︎ 代表が多国籍化してきた理由を学べる
✔︎ 寛容な社会をつくるヒントが詰まってる
というわけで、今回の記事は以上です。
では、また!