どうも、りょうかん(@ryokan_1123)です。
2018年3月まで約3年間カフェの経営していました。
先日、当時のことを知っている方から「もし再びカフェを開業するならどうする?」と質問をされたんですが、面白いテーマだと感じたので記事にしてみようと思います。
というわけで、この記事では【元カフェ経営者が再びカフェを開業して長く続けるために意識する5つのポイント】を書いていきます。
本記事の内容を3行で伝えると・・・
✔︎ 元カフェ経営者の視点でカフェ開業の際の注意点をまとめました
✔︎ 大前提は【大儲けすること】ではなく【長く続けること】です
✔︎ 開業前の人だけでなく運営中の方にも読んでもらいたい内容です
この記事を書いている僕自身は、以前のカフェで大成功を収めたわけではありません。
客観的には『失敗』の部類に入ると思います。
なので、この記事で書かれている内容は成功者の意見ではなく、一度失敗した人が「失敗の反省を踏まえた上で再挑戦するなら」という視点で書いていると思って読んでください。
参考になる部分ならない部分とあると思いますが、僕自身の偽らざる本音で【意識しておくべきと感じるポイント】を書いていきます。
再びカフェをやるなら【継続性】を重視する
大前提の部分なんですが、基本的には「カフェ事業は儲からない」と思っています。
正確に言えば「カフェ事業は(1店舗経営だと)儲からない」というのが事実だなと。
この理由は後述で説明しますが、儲からないことを大前提にして、もし再びカフェを始めるのであれば【継続性】を最重要ポイントにして考えます。
なので、この記事で書いていることは全て【長く続けるために】というのが前提になっていると思ってください。
カフェが儲からない理由は「ビジネスモデル」で説明できる
ご存知の方は読み飛ばしてください。
「カフェ事業は(1店舗経営だと)儲からない」と書きましたが、その理由はカフェのビジネスモデルを紐解くと簡単に説明がつきます。
飲食業における【売上】の数式は以下の通りです。
売上 = 客単価 × 客数
もう少し因数分解してみると、
売上 = 客単価 × 席数 × 回転率
となります。この数式からわかることは、飲食業で儲けるためには【客単価】【席数】【回転率】のいづれかの数字を高めなければならないということです。
しかし、カフェという業態は、居酒屋やBARなどと比較すると客単価は低く、長時間滞在する人が多いので回転率も低くなってしまいます。
となると、カフェが儲けるためには【席数】を増やすしかないんですが、席数を多くするためには広い店舗にする必要があり、そうなると賃料や必要人件費が増えて支出が切迫してしまいます。
その状況を打破するために、大手チェーン系カフェは、客単価を上げる商品開発やリピート利用促進の工夫をしていたりするんですが、個人経営の店舗ではそこまで出来るわけもありません。
つまり、単一店舗のカフェが儲けるのはかなり無理ゲーなんですよね。
だけど、いくつかポイントを抑えて経営すれば、長く続けることは出来るなと。
カフェを長く続けるためのポイント5選
というわけで、元カフェ経営者として(失敗した理由も踏まえつつ)カフェを長く続けるためのポイントを紹介していきましょう。
1.賃料を1人暮らしのアパート相場並に抑える
もし次があるなら、絶対にこのルールは徹底します。
地域によって賃料の水準は違うと思いますが、その商圏内で1人暮らしをする際のアパート家賃相場ぐらいを目安にするのがいいのかなと。(最悪住んでしまえばいいので)
なぜこのルールを徹底するかと言うと、続ける中で最も大きな固定費は【地代家賃】であり、しかも後々変更することが困難な固定費でもある、というのが1番の理由です。
僕自身の失敗の要因も大部分も【賃料設定】にあると思っていて、僕は月10万円の物件で開業しました。「それでも安いほうじゃないか!」と指摘する方もいるかもしれませんが、変化の激しい今の時代にカフェを始めるなら月10万円も高いと僕は感じます。
もちろん立地や広さなど物件の条件との兼ね合いもあると思いますが、賃料を妥協するぐらいならやらない方がマシです。
2.内装費は節約して断熱対策にはお金をかける
これも固定費を下げるための工夫です。
つまり、ランニングコストの中の【光熱費】を抑えるために断熱対策には力を入れます。
「光熱費なんて・・・」と思う方もいるかもしれませんが、毎年の冬場の暖房費はバカになりません。
ちなみに、僕のカフェでは最も多い月で7万円以上の光熱費を払ってました。年間で50万円超ぐらいだったかな。
光熱費の少ない月で2万円台だったので、断熱対策を完璧にすれば年間30万円近く節約できていたことになります。これはめちゃ大きいです。
また、断熱対策をしっかりすることの隠れたメリットには【居心地の良さが上がる】もあります。つまり、お客さんの利用満足度を高めることにも繋がるので、絶対にやっておくべきだなと。
もしかすると「開業してから追々やればいい」と思う方もいるかもしれませんが、始まってしまうと大きな支出には躊躇してしまいます。
なので、最も自分の財布の紐が緩まる開業準備中に対策をしてしまうのがベストです。
3.お客さんの情報を詳細すぎるほど記録する
これも僕も大きな失敗のひとつで、顧客データをしっかり記録してなかったんですよね。
商品別の注文数と客数は記録していたんですが、【年齢】【性別】【来店回数】などの情報をしっかりと登録しておくべきだったなと。
なぜかと言うと、定量的なデータがないと感覚的にしか経営改善ができないから。つまり、センスに頼った運営になってしまい、経営が安定しにくくなります。
加えて、今の僕のように「再チャレンジしよう!」と思ったときにも、顧客データがないと本当の失敗の原因を把握しきれません。本当に後悔してます…。
ちなみに、もし僕が現在もカフェをやっていたらどんなデータを取るかと言うと、
初来店時に【年齢】【性別】【居住地】【職業】を(勘でもいいので)登録する。
来店のたびに【注文商品】【利用した席】【来店時間】【滞在時間】【気づいた点】を記録し続ける。
まで徹底的に記録しますね。
「営業しながらそこまで出来ないよ」って思うかもしれませんが、それでもやるんです。営業後にでも必死に思い出してでも記録する。来客数なんて多くても1日40人ぐらいなわけなので、そのくらいやりましょう。
このメンドくさい作業が後々絶対に役に立つので。
4.品数を減らして単価を下げない
これも僕の反省事項です。
品数の多い方がお客さんのニーズを広く拾えると思って頑張って商品の数を増やしてましたが、これは失敗のパターンだったなと。
大事なのは、一度足を運んでくれた方に対してマイナスの印象を抱かせないことです。いくら品数が多くても提供のスピードが遅かったり、そもそも味がイマイチだったりすると、リピートしようと思ってもらえなくなる。このパターンが一番最悪ですからね。
豊富な商品数なんて大手のチェーン系カフェに任せればいいんです。
そして、安易に商品単価を下げないことも重要だなと。
お客さんが来なくて低単価戦略を取ってしまいたくなる気持ちはよくわかりますが、安さに釣られて来店する人はより安い店が出来たらそっちに流れてしまいます。そうやって価格競争に巻き込まれてしまうと、どんどん疲弊してしまって長く続けられなくなる。
価格を下げることでお客さんに来てもらうのではなく、安さ以外の部分に価値を感じて利用してくれる方を大事にすることが、継続するための秘訣だろうなと。
5.毎日ブログを書き続ける
ブログではなくてもいいですが、ウェブ発信を毎日必ずやるべきだなと。
上述で「賃料を抑える」と書きましたが、賃料の低い場所となると良い立地の物件は期待できません。だからこそ、お客さんに気づいてもらうためにもウェブ発信は欠かさず続けた方がいい。
僕の場合はWordPressでブログを作って発信をしますが、そこまでするには専門的な知識も必要になるので、今なら「note.mu」という無料ブログサービスを使うのがオススメです。
もしくは、SNSの「Instagram」を毎日文章付きで投稿するのも有りですね。
ちなみに、ウェブ発信をした方がいいからと言って「個人経営のカフェにホームページは必要ありません」ので、この点は注意しましょう。
まとめ:先人の失敗から学ぶ人が生き残る
ここに書いたことを実践して果たして本当に長く続けられるのか。
本当なら自分で実証するべきだなと感じます。ですが、今の僕はすでにカフェ事業から撤退しており、しばらくはカフェを始める予定もありません。
「元カフェ経営者視点で〜」と偉そうに書きましたが、無責任な立場からの意見でしかないのが心苦しい限りです・・・。
しかし、一度カフェ事業を失敗した僕だからこそ、失敗しないためのポイントを伝えられるのではないかと思い、この記事を書きました。
これから開業する人だけでなく、現在運営している方にも参考になる部分があれば取り入れてもらえたら嬉しいです。
また、飲食経験ゼロからカフェを開業して撤退するまでの全てを綴った「[カフェ経営の教科書] – 飲食業初心者が開業して撤退するまでの実録 – 【完成版】」という記事も書いていますので、よければ読んでみてください。
というわけで、今回の記事は以上になります。
もしまた僕自身がカフェを始めることがあれば、このブログやツイッターで報告させていただこうと思います。(書いてたらまたやりたくなってきたw)