どうも、りょうかん(@ryokan_1123)です。
渋沢栄一さんの「論語と算盤 モラルと起業家精神(今こそ名著)」を読みました。(編訳:道添進さん)
この本では、大正5年に出版された古典名著「論語の算盤」が気軽に読めるように現代語訳されており、今の時代でも通用する渋沢栄一のビジネスマインドを学ぶことができます。
✅ 古典「論語と算盤」を超わかりやすく読みたい
✅ 現代にも通用するビジネスマインドを学びたい
✅ 新一万円札の顔「渋沢栄一」について知りたい
という人におすすめな一冊です。
一番のポイントは、
渋沢栄一のビジネスマインドが
現代でこそ学ぶべき思考である
と気づける点。
「コンテンポラリー・クラシックス 今こそ名著 シリーズ」の第一弾として出版された書籍でもあり、超わかりやすい現代語訳と16ページの超簡潔版が載っているため、渋沢栄一がどんな思考を持っていたのかを気軽に知ることができます。
✔︎ 「論語と算盤 モラルと起業家精神」の概要を解説
✔︎ 現代にも通用する渋沢栄一のビジネスマインドを紹介
✔︎ 本書を読んだ個人的な感想
渋沢栄一さんの「論語と算盤 モラルと起業家精神」ってどんな本?【概要】
「論語と算盤 モラルと起業家精神」は、2017年3月26日に発売された全296ページの書籍です。
少し読み解くのが難しめな内容なので、読み終えるまでに【約4.5時間】ほどはかかります。
ザックリと内容を紹介すると、
・第1部で「この本の概要と書かれた時代背景」の説明
・第2部で「名著『論語と算盤』のわかりやすい現代語訳版
・第3部で「渋沢栄一のビジネスマインド」の超簡潔版
という感じの構成になっています。
日本資本主義の父「渋沢栄一さん」ってどんな人?
名著『論語と算盤』を書いた「渋沢栄一さん」のプロフィールも紹介しておきます。
渋沢栄一(しぶさわえいいち)
・1840生まれ 埼玉県深谷市出身
・日本資本主義の父と呼ばれる
・明治政府の官僚などを経て実業家に転身
・実業を行う上での規範に『論語』を用いた
・日本初の株式会社を立ち上げ、600社近くを起業した
・第一国立銀行(現在のみずほ銀行)の総監も務めた
・商法講習所(現在の一橋大学)や日本女子大学などの設立にも関わる
・生涯をかけて『道徳経済合一説』を説いて『論語と算盤』を出版した
・2024年より新紙幣「一万円札」の顔になることが決まっています
ちなみに、編訳者の「道添進さん」のプロフィールも載せておきます。
道添進(みちぞえすすむ)
・1958年生まれ 文筆家&コピーライター
・国内デザイン会社を経て、米国の広告制作会社に勤務
・各国企業のブランド活動をテーマにした取材執筆をする
・江戸時代から現代に通じる教育などの比較研究なども行なっている
・著書には『ブランド・デザイン』や『企画書は見た目で勝負』などがある
また、「コンテンポラリー・クラシックス 今こそ名著 シリーズ」では、下記のようなものを編訳しています。
「論語と算盤 モラルと起業家精神」の目次は?
目次は下記の通りです。
はじめに
第1部 名著『論語と算盤』とは
第2部 『論語と算盤』を読む - 現代語抄訳で読む『論語と算盤』
第1章 処世と信条
第2章 立志と学問
第3章 常識と習慣
第4章 仁義と貧富
第5章 理想と迷信
第6章 人格と修養
第7章 算盤と権利
第8章 実業と士道
第9章 教育と情誼
第10章 成敗と運命
第3部 渋沢栄一に学ぶビジネスマインド
各部のページ数は
第1部:20ページ
第2部:240ページ
第3部:16ページ
と内容の87%が第2部(現代語訳編)となっています。
第2部の各章の終わりには、その章のポイントがまとめられているので、とにかく「理解できること」を主眼に置いた構成になっていると感じました。
現代にも通用する渋沢栄一のビジネスマインド【紹介】
読んで最も感じたのは、現代との妙な共通点です。
たとえば、
これとは大正的に今の教育は、とにかく知識を重視している。その結果、すでに小学校の時から多くの科目を学ぶ。さらに中学、大学と進むうちにますます多くの知識を詰め込む。だが、精神の修養をおろそかにするものだから、青年の人格形成の点でとても心配になってくる。
そもそも現代の青年は、学問を習得する目的を見失っている。(略)今の青年はただ学問のために、学問を身につけようとしているのである。最初から、しっかりとした目的がなく、なんとなく学問をやった結果、実社会に出てから、自分は何のために学んだのだろうかというような疑問に襲われる青年がかなりいる。学問さえすれば誰でも皆偉くなれるという一種の迷信のために、自分の境遇や経済状況も考慮しないで、自分には不相応な学問を修めようとする。その結果、後悔することがままあるわけだ。
という部分なんて、今の時代に書かれたと言われても全然違和感ないですよね??
論語と算盤を両立するために必要なのは「常識」である
渋沢栄一は、道理のあるビジネスをする上で重要なのは「常識を養うこと」だと言います。
その上で、「論語と算盤 モラルと起業家精神」には、
常識とは
「行動を起こす際に突飛なことをせず、頑固になりすぎないこと。また、物事の是非や善悪を見分け、利害と損失を識別していること。そして言葉と行動とが偏っていないこと」
「普通の人の人情がよくわかり、世間一般の仕組みや慣行を理解し、状況に応じた振る舞いができる能力」
と定義されています。
そのために多くの人と対話して多様な意見を取り込むことが大事なんだろうなと。
「志」には『大立志』と『小立志』がある
さらに、渋沢栄一は「志」の大切さも説いています。
そして、志には、
大立志:一生をかけて追い求める目標
小立志:大きな志を実現するための目標
の2つがあり、大立志に対しては「決めるときはよくよく考えて決めなさい」「一生の志なのだから、一時の情熱に任せて見当違いの道を進まないように」とアドバイスされています。
これは現代を生きるビジネスマンにとっても心に留めておくべき考え方じゃないかなと!
このような現代での応用できるビジネスマインドがいくつも書かれているのが名著「論語と算盤」です。
新一万円札の顔にもなることが決まったこのタイミングだからこそ、渋沢栄一の普遍的な思想を学ぶ良い機会にしてみてください!
「論語と算盤 モラルと起業家精神」を読んだ感想【書評まとめ】
この記事では、「【書評】令和に入った今だからこそ名著の現代語訳版「論語と算盤 モラルと起業家精神」を読んでみよう!(渋沢栄一)」について書いてきました。
現代語訳版で書かれた第2部は、わかりやすく書かれているとは言え、ぶっちゃけ初見では半分も理解できません。
何度も繰り返し読むことで徐々に腑に落ちていくんだろうなと感じます。
ただ、読んでて既視感があるな〜と思ったのが、以前書評も書いた稲盛和夫さんの「生き方 – 人間として一番大切なこと」にも同じようなことが書かれているんですよね。
どうやら稲盛和夫さんが渋沢栄一さんをリスペクトしており、自身の勉強家で『論語談義』を使っていたとのこと。以前読んだ本に繋がりを感じられるのも読書の楽しみのひとつですね!
これから新一万円札の顔になる渋沢栄一さん。
彼の書いた『論語と算盤』を、ぜひこの機会に読んでみましょう!
✔︎ 名著『論語と算盤』の現代語訳版が読める
✔︎ 渋沢栄一のビジネスマインドを垣間見える
✔︎ 現代でも通用する古典をわかりやすく学べる
というわけで、今回の記事は以上です。
では、また!