どうも、りょうかん(@ryokan_1123)です。
鈴木敏夫さんの「禅とジブリ」を読みました。
この本には、スタジオジブリのプロデューサー・鈴木敏夫さんと禅僧3名(細川晋輔さん・横田南嶺さん・玄侑宗久さん)とが「禅×ジブリ」をテーマに実施した対談が計5回分収録されています。
✅ 禅の考え方がめっちゃ好き
✅ ジブリの思想を理解したい
✅ 鈴木敏夫さんに興味がある
という人にオススメしたい一冊です。
✔︎ 「禅とジブリ」の概要を解説
✔︎ 本書内で印象に残った言葉を紹介
✔︎ 本書を読んだ個人的な感想
鈴木敏夫さんの「禅とジブリ」ってどんな本?【概要】
「禅とジブリ」は、2018年7月4日に発売された書籍です。
全224ページの本ですが、対談形式で読みやすいので、【約2時間】ほどで読み終えることができます。
ザックリと内容を紹介すると、
・ジブリの鈴木敏夫氏が禅僧の3名と対談している
・禅とジブリに対するあらたな視点を与えてくれる
・常に「今ここ」を意識して生きる重要性を学べる
という感じかなと。
著者の「鈴木敏夫さん」ってどんな人?
著者の「鈴木敏夫さん」のプロフィールも紹介しておきます。
鈴木敏夫(すずきとしお)
・1948年生まれ 愛知県出身
・慶應義塾大学文学部 卒業
・大学卒業後 徳間書店 入社(雑誌編集)
・スタジオジブリのプロデューサー(ほぼ全劇場作品をプロデュース)
対談相手の禅僧「細川晋輔さん」「横田南嶺さん」「玄侑宗久さん」ってどんな人?
細川晋輔(ほそかわしんすけ)
・1979年生まれ 東京都愛知県出身
・龍雲寺 住職
・佛教大学卒業後に京都の妙心寺専門道場で9年間修行
・花園大学大学院文学研究科仏教学専攻 修士課程 修了
・著書に『迷いが消える 禅のひとこと』や『人生に信念はいらない』などがある
横田南嶺(よこたなんれい)
・1964年生まれ 和歌山県出身
・円覚寺 派管長
・筑波大学在学中に出家得度し、卒業後には京都の建仁寺僧堂で修行
・円覚寺僧堂師家を経て、2010年に臨済宗円覚寺派管長に就任
・著書に『自分を創る禅の教え』や『生きる力になる禅語』などがある
玄侑宗久(げんゆうそうきゅう)
・1956年生まれ 福島県出身
・福聚寺(福島) 住職&作家
・慶應義塾大学中国文学科 卒業
・さまざまな職業を経験したのち、京都の天龍寺専門道場で修行
・2001年に『中陰の花』で第125回芥川賞を受賞
・他にも『NHK「100分de名著」ブックス 荘子』などを出版
「禅とジブリ」の目次は?
「禅とジブリ」の目次は下記の通りです。
プロローグ —— 間のこと
第一回 細川晋輔和尚(龍雲寺住職)
1
「白隠さん」と出会ったのは
仏教をわかりやすく
白隠さんにキャッチコピー
2
「放下著」と「即今目前」
「今」のことをちゃんと
「わからない」強さ
3
坐禅は「ゴミ捨て場」
「一日暮らし」の女の子
現代は禅的?
第二回 ふたたび、細川晋輔和尚(龍雲寺住職)
4
オリジナルということ
師弟関係も「真似」から
『宮本武蔵』、読んだ?
5
常に新人監督
「大切なこと」と「手段」
「枝葉」どころか「葉脈」の時代
6
変幻自在は日本の伝統
世の中はギブ・アンド・ギブ
「道楽」でいこう
「おせっかい」の力
第三回 横田南嶺老師(円覚寺派管長)
7
流行りものが嫌い!
誰しも一度は心が折れる
恋、しないんですか!?
8
隠されている“死”
幸せに必要なこと
「人類は幼い」
9
「今」派と「過去」派
師匠と弟子は敵同士
坐禅は心の調合
第四回 玄侑宗久和尚(作家・福聚寺住職)
10
生活革命とジブリ
“日本的”がおもしろい
“矛盾”じゃないと
11
枯れない人たち
「お袋」と「仏教」
組織はどうやって生まれる?
ジブリは「因果」より「縁起」
12
無敵の剣法
ゲージュツは煩悩だ!
人間関係のお悩み、聞きます。
第五回 おしまいに、細川晋輔和尚(龍雲寺住職)
13
上手に書こうとしない
プロとアマチュア
14
禅は誰にでも
『ゲド戦記』と『スター・ウォーズ』
幻の“枯れた老人”
エピローグ
「禅とジブリ」で印象に残ったの言葉【紹介】
「禅とジブリ」で書かれている対談の中から、印象に残った言葉をいくつか紹介していきます。
目の前のことをコツコツやっていくしかない
細川 よく悟りを月にたとえるのですが、教えは月を差す「指」でしかないんですよね。指のほうに注目してしまうと、どうしても肝心の月が目に入らなくなってしまいます。
鈴木 世の中、兎角そういうことが多いです。
細川 鈴木さんが関わってこられた広告もいわば「指」だと思います。これまでコピーライターの糸井重里さんと鈴木さんで、ジブリ作品に多くの名キャッチコピーを付けてこられましたが、鈴木さんは月が目に向くような指の差し方をしておられるんじゃないかと。
禅の悟りとは、どんな場面でも平気で生きていること
細川 正岡子規が「禅の悟りとはどんな場合でも平気で死ぬことだと思っていたがそれは間違いで、どんな場合でも平気で生きていることだとわかった」と亡くなる前に書いているんです。私も以前は禅は死を身近に捉える、いつ死んでもいいように生きることなんだと簡単に考えてしまっていたんです。でも、実は平気で生きていくことのほうがよっぽど尊くて大変なことなんですよね。
過去や未来に捉われることの一番の問題は、今この瞬間に集中できないこと
鈴木 なるほどなあ。過去や未来に捉われることの一番の問題は、今この瞬間に集中できないこと。だから僕は「もっと今に集中しろ」ってしょっちゅう言っているんです。
目の前のことをコツコツやっていくことでしかない
細川 なるほど。仏教は、「悟り」という永遠なる目標に向かって永遠に努力する、ということが大前提にあります。でも、その努力とは、目の前のことをコツコツやっていくことでしかないんですよね。
鈴木 あまり夢を見ると、ひどい目に遭いますよね。理想の自分と比べたら、現実の人生はみすぼらしく見えるに決まってるんだもん。目標に向かって努力するのはもちろん立派ですが、僕なんかは、自分でやりたいことなんて何もなかったし、それよりも目の前のことをコツコツやって拓けていく人生に付き合おうという考え方だったんです。合理的にやってもしょうがない。どうやって無駄なことをするかですよね。
すぐにスマホに答えを求めてしまう時代だからこそ。
細川 今、坐禅がブームと言われているんです。私どもの寺では、毎週日曜日の午前六時半から坐禅会をしていますが、休日なのに早起きしていつも百人くらいいらっしゃいます。今の時代、「何かをしたら、何かを得たい」という気持ちが強い。しかし坐禅は何かを得るというより、捨てる場だと思うんです。私はよく「坐禅はゴミ捨て場」と言っています。何かわらかないことがあると、すぐにスマホに答えを求めてしまう時代だからこそ、ちょっと立ち止まって、自分にベクトルを向ける時間。
鈴木 僕も、何でもすぐスマホで調べていましたが、最近我慢するようになったんですよ。簡単に調べないで思い出そうとする。その時間が無駄に思えるけれど、実は大事なんじゃないかと。
対立するもの両方をそのまま生かしておくと、必ず何かが生まれてくる
玄侑 中国に 両行 という言葉があります。それは、対立するもの両方をそのまま生かしておくと、必ず何かが生まれてくる、という考え方なんです。ひとつの考え方で絶対化してしまわないで、対になるような考え方を常に持っておく。 相矛盾する両方を生きていくしかない、そういう思想が日本人のベースにもあると思うんです。矛盾っていいですよね。
鈴木 たぶん、宮さんもそうですね。彼のペシミスティック(悲観的)なところはすごくて。人間に対する絶望と信頼が共存しているんです。彼は何しろ昭和十六年生まれ。幼かったとはいえ、戦争を経験していますよね。子どもの頃感じた飛行機だの戦車だの、いわゆる兵器への憧れ、一方で戦争反対。この矛盾の中で生きてきた人なんで。
まだまだ紹介したい言葉はありますが、長くなるのでこの辺までに。
ぜひ本書「禅とジブリ」を読んで自身で刺さる言葉をピックアップしてみてください!
「禅とジブリ」を読んだ感想【書評まとめ】
この記事では、「【書評】鈴木敏夫さんの「禅とジブリ」は日本の文化&アニメの奥深さに気づくことができる一冊!」について書いてきました。
ぶっちゃけジブリをあまり見たことのない人にとっては、色々わからない部分も多いんじゃないかと思います。
が、国民的アニメ映画作品を観たことのある人であれば、ジブリ作品の思想と禅の考えが似通っていることに納得感を抱くはずです!
新たな気づきの多い一冊ですので、ぜひ読んでみてください!
✔︎ 鈴木敏夫と禅僧3名の対談が載っている
✔︎ 禅とジブリに対する新たな気づきがある
✔︎ 今ここを意識して生きる重要性を学べる
というわけで、今回の記事は以上です。
では、また!