どうも、りょうかん(@ryokan_1123)です。
1日1冊ぐらいのペースで本を読んでいます。
昨年末には『100日連続書評更新』という挑戦をしたんですが、毎日必ず本を読んで書評を投稿している、ということを多くの方に知っていただき、応援の声もたくさん届けてもらいました。しかし、そんな応援の声の中には、
「どうしたら読書を習慣化できるの?」
「そんなたくさんの本は読めないや…」
「読み始めても眠くなちゃうんだよね」
という読書に対する質問や悩みも含まれており、意外と「読書はしたいけど続けられない」という人が多いんだなぁという気づきもありました。
かく言う僕も、数年前までは1ヶ月で読んでも1冊程度。年間で10冊も読めたらスゴいと思っていたぐらいの読書量しかない一般ピーポーでした。
だけど、どうしても20代のうちに大量の本を読み漁る期間を作りたかった。30代になる前に読書習慣を作っておかないと、きっと僕の人生はダメになってしまうんじゃないか、と思っており、そのためにはまず「どうやって本を読むと良いのか」を学ぼうと、読書術について書かれた本をたくさん読んでみました。(大体10冊ぐらい!)
すると、それらの書籍を読んでいるうちに、
どの本も書いてあること同じじゃね??
と気づいてしまったんです。
ほんとうに驚くほど「またこれ〜??」という内容が書かれていて、途中から買うのもバカバカしく感じたぐらいです。でも、逆に言えば、
多くの読書術本に共通する内容なら、間違いなく重要なポイントってことじゃん!
と発想を切り替え、そのポイントだけを意識して読書に取り組み始めた結果、読書を無理なく習慣化することに成功し、短時間で大量の書籍を読むスキルも身につけることができました。
しかも、先ほどの質問をくれた方に「読書のポイント」を話すと、
「言われてみれば確かに…!」
「そんな読み方があるのか!」
「今まで勘違いしてたかも!」
という反応があり、同じように参考にして実践するとメキメキと読書量を増えた、と喜ばれました。
つまり、読書術に関する本に共通することは間違いなく「本質に近い読書法」なんだなと。そうであれば、ぜひ皆さんの参考にもしてほしいなと思い、せっかくなのでブログにまとめてみることにしました。
ということで、当記事では「「読書術」の書籍をたくさん読んだけど、書いてることはどれも同じだったよ?【正しい本の読み方をまとめておく】」について書いていきます。
✔︎ 本を読むべき理由とはなに?
✔︎ 読書術に関する5つの誤解を紹介
✔︎ 必ず役に立つ「読書術」のまとめ
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そもそも「本」って読まないといけないの?
こんな記事を書いていてアレですが、そもそも「本」って読まなきゃいけないんでしたっけ?? 読んでたら眠くなるし、読むのに時間もかかるし、意外に出費にもなるし・・・
誰かに強要されてるわけでもない
ですよね??
正直に言って、社会人になってから読書を義務っぽく感じてしまうのは、上司から「読んだ方がいい」と言われたり、意識高い系の同僚から「読んでないの!?」と言われたり、そんな些細な理由がほとんどなんじゃないかなと思います。
そんなモチベーションで本を開いてみたところで、自発的な動機がなければ続けれないのも当然です。
ちなみに、文化庁発表の平成30年度『国語に関する世論調査』によると、全国の16歳以上の男女を対象に「1ヶ月に読む本の冊数」を尋ねたら、
読まない:47.3%
1〜2冊:37.6%
3〜4冊:8.6%
5〜6冊:3.2%
7冊以上:3.2%
という驚くべき結果が出たそうです。
日本人の約半数は月に1冊も本を読まない。それどころか、月3冊以上の本を読んでいるのは全体の15%しかいないことがわかります。(逆に月7冊以上読んだら上位3%に入れます)
読書した方がいいと散々言われているにも関わらず、実際はその程度の人しかやっていないんですね。
なので、「本質的な読書術をまとめるよ!」っていう記事を書いてる僕が言うのもおかしいですが・・・
本を読むのが苦痛なら無理をする必要はない
と思います。
仕事の業務の一環として読む必要がある場合は別ですが、学校の宿題じゃあるまいし、苦痛に感じているのに読書をしなければならないと思う方がどうかしてます。
限られた時間しか与えられていない貴重な人生です。読んでいるあなたには、義務でもないことに嫌々時間を使うような無駄なことを絶対にしてほしくない。
なので、
「義務感で本を読んでいたかも・・・」
「楽しめない自分が悪いと思ってたな」
というようなことが頭をよぎった人は、ここでブラウザを閉じてもらって大丈夫です。時間の無駄なので、本だけじゃなくこの先の内容すらも読む必要はないかなと思います。
いつか読書術を学ぶ必要に駆られたタイミングが訪れたときに読みに来てください。
▼ 「本を聴く」という選択肢 ▼
読書が苦痛という方は「活字を読むのが苦手」であることが多いです。そんな人にオススメしたいのが『本を聴く』という選択肢。つまり、活字が苦手なら「読まなきゃいい」という考え方です。この方法ならラジオ感覚で本を読破していくことができます。
本を聴くサービスとして有名なのは Audible(オーディブル) と audiobook.jp の2つ。どちらも利用者が増えており、聴ける書籍の数も充実してきています。いずれも無料体験をすることができるので、まずは試してみてください。
ただし、無理して読む必要はないとは言え、それでも「読書をした方がいい理由」はたくさんあります。たとえば・・・
成功した人は必ず読書をしてるらしいよ
という話を聞いたことはあるでしょうか?
少しデータが古くて出典先リンクは切れていますが、日本経済新聞による20代&30代を対象にした「年収別の平均月額書籍購入費」の調査を見ると、
年収800万円以上
→ 月間書籍購入費「2,910円」
年収400〜800万円
→ 月間書籍購入費「2,557円」
年収400万円未満
→ 月間書籍購入費「1,914円」
というように、年収額と読書量には比例の関係があることがわかっています。
また、こちらも出典先リンクが切れているものの、ビジネス誌『PRESIDENT(プレジデント)』がビジネスパーソンを対象に「読書時間」を調査したところ、
年収1,500万円以上
→ 1日の平均読書時間「30分以上」
年収500〜800万円
→ 1日の平均読書時間「5〜30分」
と、こちらでも年収額と読書量の間にある確かな相関が証明されました。
さらに、アメリカ人作家でファイナンシャルプランナーの「トーマス・コーリー氏」が、233人のお金持ち(年収1,800万円以上&3億円超の流動資産保有者)と128人の貧乏人(年収400万円以下&50万円以下の流動資産保有者)を5年間かけて研究調査した結果、
質問「読書は好きですか?」
・YESと答えたお金持ち「86%」
・YESと答えた貧乏な人「26%」
質問「毎日読書を最低30分していますか?」
・YESと答えたお金持ち「88%」
・YESと答えた貧乏な人「2%」
という習慣の違いが明らかになったと言います。
以上のようなことからも、「成功者は必ず本を読んでいる」のは間違いないだろうと思います。
ただし、ここで勘違いしないでおきたいのは、
本を読めば必ずしも成功するわけではない
が、成功者は必ず読書の習慣を持っている
ということです。まあ当然と言ってしまえばそれまでですが、頭の片隅にでも覚えておくと良いかなと。
でも、正直に言って「別に成功したいわけじゃないんだよな〜」と感じている方もいるでしょう。お金を稼げる人が必ずしも幸せになれるとは限らないですし、そこそこで良いから平穏に暮らしていけたらそれでいいという考えもわかります。
そんな人にぜひ知ってもらいたいのが、
読書には健康面のメリットもあるんだって!
という科学的な事実です。
50歳以上の被験者3,635人を12年間追跡調査したイェール大学の研究論文によると、「1日30分以上読書をすれば死亡リスクが約20%減少する」という結果が出たと言います。
また、日本国内の事例でも、人口に対する図書館数が全国で最も多く、小中学校の図書館司書配置率もほぼ100%を記録する「山梨県」は、厚生労働省発表の 都道府県別健康寿命ランキング(平成25年) で全国1位に輝いています。運動実施率では全国最下位にも関わらず健康寿命が長いため、読書量が健康に好影響を与えているのではないかと言われているそうです。
他にも、
・週3時間以上の読書をする人は寿命が「2年」長くなる(米国イェール大学)
・たった6分間の読書でストレスが「67%以上」軽減される(英国サセックス大学)
・読書習慣のある人はアルツハイマー発症率が「2.5倍」低い(雑誌 Neurology)
などの研究結果などがいくつも発表されており、本を読むことが健康に繋がることは間違いないと言えるのかなと。
ということで、ここまで「苦痛なら本は読まなくてもいい」「だけど読書にはこんなメリットがある」という話を書いてきましたが、少しは読書に対して前向きになってきたでしょうか?
そんな前向きになった感情をさらに後押しするために、みんなが誤解している『読書に関する5つの勘違い』を紹介しておきます。小いころからの思い込みで読書の幅を狭めてしまっている人は意外と多いんです。たとえば・・・
みんな誤解してない?【読書に関する5つの勘違い】
❶ 訓練すれば「速読」も実現可能!→ 絶対にできません
読書をたくさんするためにトレーニングして「速読術」を習得しようと決意したことのあるひとはどのくらいいるでしょうか。恥ずかしい話ですが、僕自身も学生時代には眼球の動かし方を鍛えることで本気で速読術習得できると信じていたひとりです……。
お察しのとおり速読術習得は見事失敗したんですが、実をいうと科学的にも速読に対して否定的な研究データが出ています。
2016年にカルフォルニア大学の研究チームが過去145件の研究データを分析して「速読の実現可能性」を調査したところ、
・巷に溢れる「速読テクニック」には科学的根拠がない
・読書における目の動き(周辺視野)の重要性は「10%以下」
・読む速度を上げると、内容理解度が下がる(トレードオフ関係)
・触れる言葉が増えるほど、文章処理能力は上がる(唯一の速読実現法)
ということが判明しました。
つまり、眼球の動きや周辺視野の使い方を鍛えることで速読を習得するのは不可能というわけです。しかも、ただ速く読んだだけでは内容が頭に入らない。そんな本末転倒な無駄なことに労力を使うべきではないというのが、現時点での結論になります。
研究チームが提唱した「確実に読むスピードを速める唯一の方法」は、たくさん本を読んで触れる言葉を増やすという古典的なやり方でしかかなく、結局はひたすら読書することでしか読むスピードは速くならないということが科学的に証明されてしまいました。
「じゃあすぐに何冊も読めるようにはならないんだね」
そう感じた人にお伝えしたいのが次の誤解です。文字を速く読む能力が上がらなくても読む冊数を増やしていくことはできます。その方法とは・・・
❷ 読んだら「完読」しないとダメ!→ そんなことはない
という意識を持つことです。つまり、読み始めてから「なんか違うな〜」と思ったら、最後まで読み切らずにさっさと次の本を読み始めてしまえばいいんです。
正直、僕自身も一度読み始めた本を最後まで読み終えてからでないと次の本に手を出してはいけないと思っていました。その結果、興味の薄れた本を読まないといけない感覚に苛まれてしまい、読書の習慣が抜け落ちていく。
興味が持てないのは、その本自体がダメ本な場合もあるし、今の自分の状態に合っていないだけのパターンもあります。難しすぎて読み進められない本でも、自分に基礎教養が備われば読めるようになるかもしれません。
だからぜひ、読書をする際には 面白くなければ本を閉じる勇気 を心に秘めておきましょう。それが読書の習慣化のためには必須スキルです。
そして、小さい頃からの刷り込みで先入観を抱いてしまっている誤解がもうひとつ。それは・・・
❸ 本は「前から後ろに」読むべき!→ どこからでもOK
です。この誤解が生まれた原因は「学校の授業にある」と思っています。
学校教育では、教科書を前から順にひとつずつ進めていきますよね?
そのため「本は最初のページから後ろに向けて読むものだ」という認識を刷り込まれしまっているんですが、本来であれば
本の読み方なんて自由でいい
んです。第7章を読んだあとに第2章を読んでもいいし、あとがきから読み始めて徐々に最初に戻ってもいい。完読の必要すらないので、第4章と第5章だけ読んで本を閉じることすらもなんら問題ありません。
たとえば、
「次の章は読みたいけど、この章は興味ないんだよな……」
って思うこともありますよね??
そんなときはバッと読み飛ばして次の章を先に読んでしまいましょう。だからと言ってあなたの読書の質は大きく変わりません。むしろ読書の楽しみをMAXで感じられるので、長期的にみれば推奨すべき読み方だとすら思います。
さらに、こんな勘違いをしている人もいます。
❹ 読むときは「綺麗に」するべし!→ 書き込んで汚そう
頭のどこかに「本は汚してはいけない」っていう先入観ないですか??
物心がついてから最初に読むのが『図書室の本』であることが多いので、気付かぬうちに「本は綺麗に読むものだ」と固定観念を刷り込まれているんだろうなと思います。
でも、進学校の先生が「教科書は汚してナンボや!どんどん書き込め!」と言うように、
本は書き込んで汚してナンボ
だと思います。もちろん借りた本に書き込むのはダメですが、自分で買った本ならばいくら汚しても自分の勝手です。どんどん書き込んで自分だけの一冊にしていきましょう。
ちなみに、本に直接書き込むことは、内容を記憶に定着させる効果も期待できます。
世界2700万部ベストセラー作家の アラン・ピーズ&バーバラ・ピーズ夫妻 によると、手書きによる「指の動き」は、
手書きで文字を書く:1万種類以上
(キーボードを打つ:8種類のみ)
とものすごく多いため、その分だけ脳に刺激を与えて記憶の定着を促す効果があります。
また、読んでいるときに感じたことを書き残すことにより、記憶の種類が『意味記憶』から『エピソード記憶』に変わってより忘れにくくなるとも言われています。
これらの意味でも、「本は汚してナンボ!」という精神は覚えておくといいかなと。
最後にもうひとつ、図書室(図書館)が密かに与えている弊害を紹介しておきます。それは・・・
❺ いつか「読めるとき」に読もう!→ 本にも旬があるよ
ということ。いつでもタダで本を借りられる環境が身近にあると、緊急でない限り、気になった本も「またいつか読もう」とあと回しにしがちになります。これは生活環境としては歓迎されるべきことでも、読書環境としてはそれほど喜ばしくないです。
あまり知られていませんが、本にも「旬」というものが存在します。具体的には、
情報の鮮度
→ 書かれている情報が古くなってしまう場合や、逆に時間が経過したことで信憑性の増すものなどがある。読む価値のある時期に読むのがベスト。
読者の鮮度
→ いま読みたい本は “いま” 読みたいのであって、1年後にも読みたいと思うかはわからない。あなたの読みたいタイミングで読むのがベスト。
の2つの鮮度があり、これらが旬なときに読んでおくのが最良の読書法になります。つまり、本は読みたいと思ったときに読んでおこうね、って話です。
というわけで、ここまで解説してきた「読書の5つの誤解」をまとめておきます。
「読書に関する5つの勘違い」まとめ
❶ 訓練すれば「速読」も実現可能!
→ 速読法は絶対に不可能です
❷ 読んだら「完読」しないとダメ!
→ 完読する必要はありません
❸ 本は「前から後ろに」読むべき!
→ 本はどこから読んでもいい
❹ 読むときは「綺麗に」するべし!
→ たくさん書き込んで汚そう
❺ いつか「読めるとき」に読もう!
→ 読むべき旬を逃すべからず
これらを踏まえた上で、ほとんどの読書術本に書かれていた「具体的な読書術」を紹介していきましょう。
大抵の「読書術の本」に書いてある内容をまとめたよ!
1.読む前の「準備」こそが重要なのだ!
まず意外かもしれませんが、質の高い読書は【読む前の準備が7割を決める】と言っても過言ではありません。この「準備」の意識が変わるだけで、読書の質はグッと上がります。
具体的には、ただ何となく本を読み始めるのではなく、読む前に
・なぜこの本を読むのか
・得たい知識は何なのか
の2つを明確にしておくことです。できれば本の1ページ目に書き込んでおきましょう。
これらを事前に自覚しておけば、「期待外れなら本を閉じる」「読みたいところだけを読む」という判断をしやすくなります。逆に、読む理由や得たい知識をはっきりさせていないからこそ「最初から最後まで読み切らないと…!!」と気張ってしまうんです。
そして、事前準備がしっかり出来ていれば、本を選ぶ際の基準もはっきりしてくるはず。
というわけで、「選書(本の選び方)のコツ」についてもお伝えしておきます。
2.書籍の選び方(選書)のコツを教えよう!
選書のコツ。それはすなわち「どこで読むことを判断するか」ということでもあります。優先順位(重要度)は各自で決めなければいけませんが、たくさんの読書術本に書かれている内容を整理すると、
・まえがき(特に最初の3行を重視)
・あとがき(ここだけ読む人もいる)
・帯と前袖(カバーの折り返し部分)
・目次(全体像の把握のために必須)
・真ん中付近の章
・著者プロフィール
のあたりで判断する人が多いようです。
前半の3項目は、著者が本を書く上でもっとも力を入れている部分であり、ここで大体のフィーリングを掴むことができます。加えて、「目次」を読めば本の内容の8割は理解できるため、絶対に確認してから購入するのが良いかなと。(なので Amazon で買うよりは 書店 で買うほうが選書ミスは少なくなります)
逆に、真ん中あたりの章は著者の執筆熱量が下がっている可能性が高いため、その章でいまの自分にフィットする書籍かを判断するのが良いという話もありました。
また、著者プロフィール欄に書かれている過去の著書を確認して、どんなスタンスの人が書いているのかを想像しておくことも効果が高いです。さらに、著者の経歴や写真を事前にチェックしておくと、読書が「会話」に近くなって記憶への定着率が向上するとも言われています。
さらに、上記の内容以外にも、劇的に選書の精度を高める方法があります。それは、、、
3.多読をすると「選書の質」は確実に上がる!
です。言い方を変えると、「本を読んだ数」が増えると「選書の質」は高まります。著者情報(どんな書籍を過去に書いているかという知識)が自身の中で積み上がるから、という理由もありますが、もっと本質的な理由は「ダメ本を何冊も読むから」です。
「ダメ本は読まない方がいいんじゃないの・・・??」
と感じるかもしれませんが、ダメな本はダメな本なりに価値があり、「何がダメなのだろう」と考えるきっかけになります。それを繰り返すことで、
こういう本には「愚本」が多い
こういう本には「良本」が多い
という基準が自分の中に出来てきて、結果として選書の質は間違いなく上がっていくというわけ。最初はダメ本を掴んでしまうことも多くなると思いますが、その本も「いい問題集」と前向きに捉えていくようにしましょう。
ここまでは「読む前」の話でしたが、ここからは「読み方」についての項目です。
4.熟読するより「再読&再々読」を繰り返すべし!
ひとつひとつの単語を調べながら本を読む人がいますが、その読み方では記憶に残りにくいため、実質的に「熟読」にはあまり意味がありません。
では、本の内容を記憶に定着させるには、どういう読み方をすべきなのか。
その答えは、
【 再読 & 再々読 】
です。1回ですべて丁寧に読んで理解しようとするよりも、雑でいいから繰り返し読む方が知識が記憶に残りやすくなります。これを脳科学的には『分散学習』と呼びます。
分散学習とは、人間の脳は「忘れた頃に思い出すこと」を大事な情報として記録するという傾向を用いて、インプットを一定の間隔あけて実施する学習(復習)方法です。
ちなみに、分散学習を研究したピョートル・ウォズニアック氏の研究結果によると、記憶の定着にもっとも適した復習スケジュールは、
・1回目の復習 →「1~2日後」
・2回目の復習 →「7日後」
・3回目の復習 →「16日後」
・4回目の復習 →「35日後」
・5回目の復習 →「62日後」
だと言います。仕事で使うような長期的に必要な知識は、このスケジュールを参考に学習するのが良いでしょうね。
また、ここまでの間隔を空けなくても分散学習の効果は期待できるため、上岡正明さんの『死ぬほど読めて忘れない高速読書』では【1冊を30分で3回読む】という高速読書メソッドが紹介されていました。具体的には、
1回目 (15分)
全ページを読みながら気になるところに目印をつけていく
2回目 (10分)
目印をつけたページだけを読んで「青ペン」でメモをする
3回目 (5分)
青ペンの入ったページだけを改めて丁寧に読む
というやり方です。さすがに完璧に習得するには至っていませんが、メソッドとしては非常に参考になりました。
5.結局は「アウトプット」をしないと血肉にならない!
そして、最後。ほぼ全ての読書術本に書かれていたのが「アウトプットの重要性」です。そもそもインプット(読書)はアウトプットのためにするものですが、意外と読んだだけで満足してしまう人が多いということでしょう。
また、人間の記憶は 思い出すときに最も定着する と言われているので、その意味でも読んだあとにアウトプットをすることは「知識を脳に刻み込むため」にも強く意識しておくべきというわけです。
ちなみに、アウトプットの方法としては、
① 人に話す:友達や家族に向けて本の概要を説明する
② 発信する:ブログやツイッターで感想をシェアする
③ 行動する:書かれていた項目を少しでも実践に移す
のあたりがよく取り上げられていました。最も良いアウトプットは「行動する」ですが、いきなり行動に移すハードルが高く感じる人は、読んだ本の内容を人に話したり、ツイッターなどで感想を書くことなどから始めてみましょう。
というわけで、「大抵の読書術本に書かれている内容」をおさらいしておきます。
「大抵の読書術本に書いてある内容」まとめ
1.読む前の「準備」が7割を決める
→ 読む理由と読む目的を明確にしてから読もう!
2.書籍の選び方にはのコツがあるよ
→ 目次や著者の情報をチェックしてから買おう!
3.多読で「選書の質」は絶対上がる
→ 愚本を読んだ分だけ選書の軸が生まれてくる!
4.熟読より「再読&再々読」がいい
→ 分散学習を活用することで記憶定着率アップ!
5.結局「アウトプット」が一番大事
→ 人に話したり行動に繋げることを意識しよう!
とは言え、どんなに優れた読書術の習得したところで、本を読む時間自体が確保できない人もいるでしょう。忙しい仕事の合間に家事をこなさなければならないのに、どうしたら読書の時間を作ることができるのか。
その答えのひとつになり得るのが・・・
本を読む時間がない人には「聴く読書」がオススメ!
「聴く読書」です。近年になって注目度がどんどん増してきているサービスで、プロの朗読家の方が素敵な声で書籍を読み上げてくれます。
このサービスを使えば、
・車の運転をしているとき
・満員電車で通勤しながら
・両手が塞がる家事の最中
・手ぶら散歩の相棒として
のようなシーンでも、気兼ねなく濃密な本の内容をインプットすることができます。再生速度も調整可能(0.5倍速から3.5倍速まで10段階)なので、自分の快適な速さで聴けるメリットもあります。
有名なのは Audible(オーディブル) と audiobook.jp の2つのサービス。ザッと概要をそれぞれの違いを説明すると、
Audible(オーディブル)
・提供:Amazon
・月額:1,500円
・毎月1冊分のコインを配布(買い切り方式)
・対象冊数:邦書 約1万冊(+洋書 約4万冊)
・個別購入可
・解約後の聴読:可能
→ 毎月1冊を購入できるサブスク型
audiobook.jp
・提供:株式会社オトバンク
・月額:750円(聴き放題プラン)
・対象冊数:邦書 約1万冊
・個別購入可
・解約後の聴読:不可
→ 読み放題だが購入不可の図書館型
という感じかなと。どちらも利用者が年々増加しており、聴ける書籍数も充実しています。
初めて利用する方は Audible(オーディブル) から使い始めると良いと思います。なぜなら、初回30日間無料体験中に1冊分のコインがもらえるので、実質タダで書籍を購入できるからです。聴く読書を試してみて「自分に合わないかも…」と思えば30日以内に解約すればOK。それでも購入した書籍はその後も聴くことができます。
≫ 買い切り方式で本を聴ける「Audible(オーディブル)」を無料体験する
Audible (オーディブル) – 月額1,500円
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ただ、Audible は月額料金も高く、月々1冊分しか購入できない(個別購入はできる)ので、慣れてくると物足りなく感じてきます。そこまで 聴く読書 にハマったタイミングで聴き放題の audiobook.jp に乗り換えるのがベストです。こちらも初回30日間は無料で体験できるので、この期間はダブル加入でも良いかもしれません。
≫ 月額750円で約1万冊が聴き放題になる「audiobook.jp」を無料体験する
オーディオブック (audiobook.jp) – 月額750円
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とは言ったのもの、「聴く読書を試してみるか悩むな…」と感じている人のために、興味深いデータを紹介しておきます。
成功者は「聴く読書」にも意欲的なんだってさ!
成功者と読書の関係を紹介した際にも取り上げた、アメリカ人作家「トーマス・コーリー氏」が5年間かけて研究した調査によると、年収1,800万円以上のお金持ち233人と年収400万円以下の貧乏人128人に「オーディオブックに対する意識」を質問したら、
質問「通勤中にオーディオブックを聴きますか?」
・YESと答えたお金持ち「63%」
・YESと答えた貧乏な人「5%」
という結果になったそうです。つまり、お金持ちほど聴く読書に対する意識も高いということになります。
そもそもお金持ちは通常の読書に対しても時間を使っているため、オーディオブックは「隙間時間で効率よくインプットをするため」に利用しているのでしょう。この意識の差こそが年収の違いに表れていると言っても過言ではないはずです。
このデータを見て、あなたはどう思いましたか?
先ほど紹介した2つのサービスはどちらも初回無料で体験できるわけなので、トライしない理由はありません。まずは買い切り方式の Audible(オーディブル) から挑戦してみてはいかがでしょう。
まとめ:正しい読書術は生涯使えるスキルなんだよ!
識字率の高い日本に住んでいると「本を読む」というのは特別なスキルに感じませんが、改めて考えてみると、『本を読むスキル』をきちんと学んだ機会はほとんどないんですよね。
だからこそ「読書術」に関する書籍がたくさん出版されているわけですが、結局のところ共通してるのは
① 読書に対する勘違いを解く
② 少しだけマインドを変える
③ あとはひたすら本を読もう
ということだけでした。短期間で劇的に読書の質が高まる方法なんてものはなく、残るのは普遍的でシンプルなことだけなんでしょうね。
だからこそ、一度でも『正しい本を読むスキル』を身につけてしまえば、死ぬまで存分にそのスキルを使い倒すことができるというわけです。最高にコスパの良い勉強だったな〜
ぶっちゃけ今後どれだけ読書術に関する本を読もうと、この記事に書いた内容以上のものはほぼ載っていないと思います。まあ僕の言ったことを盲信する必要はないですが、この内容を参考にして「自分の仕事や人生に活きる本を読む」のが有意義じゃないかな、と。
それでも
「読書術に関する本を読みたいからオススメを教えて!」
という人がいそうなので、気が向いたら読んだ本をまとめて紹介する記事でも書きますね。(気が向いたらね!)
とりあえず1冊だけオススメするなら、メンタリストDaiGOさんの『知識を操る超読書術』が良いかなと思います。個人的な参考になったランキングで上位だった1冊です。
調べてみると、こちらの書籍は聴く読書サービスの Audible(オーディブル) でも購入できるみたいなので、お試しがてら無料で読んでみるのも良いかも……ね!
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というわけで、今回の記事は以上です。
ちなみに、当記事の内容は「ビジネス本」を読む想定で書きました。小説や詩集などのじっくり読むべき書籍には使えないノウハウなので、そこのところだけ間違えないように注意してください。
では、また!