どうも、りょうかん(@ryokan_1123)です。
大村大次郎さんの「お金の流れでわかる世界の歴史」を読みました。
この本では、元国税調査官だった筆者によって、世界史が「経済(お金の流れ)」に紐解いて解説されており、これまでと違った視点から歴史の本質に迫ることができます。
✅ お金の流れから歴史を学んでみたい
✅ 世界史と経済の関連性に興味がある
✅ 違う角度から世界の歴史を眺めたい
という人に是非とも読んでほしい一冊です。
✔︎ 「お金の流れでわかる世界の歴史」の概要を解説
✔︎ 現代が「フランス革命前夜」に酷似している理由を紹介
✔︎ 本書を読んだ個人的な感想
また、「お金の流れでわかる世界の歴史」は、耳で聴く読書 オーディブル(Audible) でも聴読することができます。30日間の無料体験もあるので、移動中などにインプットしたい人はぜひ試してみてください。
大村大次郎さんの「お金の流れでわかる世界の歴史」ってどんな本?【概要】
「お金の流れでわかる世界の歴史」は、2015年12月11日に発売された書籍です。
全255ページの本なので、集中して読めば【約3時間】で読み終えることができます。
ザックリと内容を紹介すると、
・元国税調査官である著者が世界史を経済の側面から解説している
・古代エジプトからリーマンショックまで5千年の歴史を一挙紹介
・これまでの歴史では見えなかった新たな見方ができるようになる
という感じ。
「そうだったの!?」「だからなのか!!」と、最初から最後まで終始関心の高いまま読み進めることができました。
著者の「大村大次郎さん」ってどんな人?
著者の「大村大次郎さん」のプロフィールも紹介しておきます。
大村大次郎(おおむらおおじろう)
・元国税調査官
・国税局に10年間勤務(主に法人税担当調査官として)
・退職後、ビジネス関連を中心としたフリーライターとして活動
・ベストセラー本「あらゆる領収書は経費で落とせる」などを出版
・学生の頃からお金や経済の歴史を勉強して30冊以上を出版(別のペンネーム)
今回紹介する「お金の流れでわかる世界の歴史」は、大村大次郎の名前で刊行した初の歴史関連書になるようです。
・完全図解版 税務署員だけのヒミツの節税術ーあらゆる領収書は経費で落とせる【確定申告編】
・税金を払わずに生きてゆく逃税術
・フリーランス&個人事業主 確定申告でお金を残す! 元国税調査官のウラ技
ちなみに、「お金の流れ〜」のシリーズは他にも複数出版されているので、合わせて読んでみてください。
「お金の流れでわかる世界の歴史」の目次は?
目次は下記の通りです。
序 「お金の流れ」で読み解くと、「世界史の見え方」はガラリと変わる!
第1章 古代エジプト・古代ローマは “脱税” で滅んだ
— 1 古代エジプトの繁栄を支えた “徴税システム”
— 2 古代ローマは “脱税” で滅んだ
第2章 ユダヤと中国 — 太古から “金融” に強い人々
第3章 モンゴルとイスラムが「お金の流れ」を変えた!
第4章 そして世界は、スペインとポルトガルのものになった
第5章 海賊と奴隷貿易で “財” をなしたエリザベス女王
第6章 無敵のナポレオンは “金融戦争” で敗れた
第7章 「イギリス紳士」の「悪徳商売」
第8章 世界経済を動かした「ロスチャイルド家」とは?
第9章 明治日本の “奇跡の経済成長” を追う!
第10章 「世界経済の勢力図」を変えた第一次世界大戦
第11章 第二次世界大戦の“収支決算”
第12章 ソ連崩壊、リーマンショック — 混迷する世界経済
— 1 ソ連誕生、そして崩壊までの「お金の流れ」
— 2 リーマンショックを招いたソ連の崩壊
おわりに
現代が「フランス革命前夜」に酷似している理由とは?
個人的に興味の度合いが高かった部分を抜粋して紹介します。
現代が「フランス革命前夜」に酷似しているという理由についてです。
国の栄枯盛衰には「一定のパターン」がある
まず、経済的な視点で「世界史における様々な国の栄枯盛衰」を分析すると、ある一定のパターンが見えてきます。
それは、
徴税がうまくいく時期には国が富み栄える
↓
やがてや人たちが腐敗して国家財政が傾く
↓
国家財政を立て直すために「重税」を課す
↓
国民(特に貧困層)に不満が渦巻き始める
↓
内乱や外国の侵略によって政権(王)が滅ぶ
というもの。
宗教や文化の対立によって生じていると思われている戦争(内乱を含む)も、当時の経済状況を紐解いていくと上記のパターンに当てはまっていることがわかります。
フランス革命前には「タイユ税」という重税が課されていた
そして、まさに上記の栄枯盛衰のパターンに見事ハマったのが、中世のフランスです。
フランス革命以前のフランスは、ルイ14世に代表されるような「絶対王政」の王道を行く典型的な王制国家でした。
しかし、当時のフランスは、貴族が各領地で徴収権を持っており、国王の収入(国家財政の収入)は直轄領からの税収と関税ぐらいしかなかったと言います。
しかも、徴税請負人の不正が多発しており、国家経済は火の車状態でした。
そこで実施されたのが「タイユ税」という重税。戦争中の特別税として徴収されたものでしたが、戦争後も廃止されず、しかも、貴族や官僚などは免除されていたらしいです。
この重税によって、免税特権を持つ貴族たちはますます富む一方で、庶民たちはどんどん貧しくなっていき、フランス革命直前には、3%の貴族が90%の富を独占している状況になっていたと言われています。
まさに栄枯盛衰のパターン通りで、庶民の不満が高まった結果としてフランス革命は起こったというわけです。
現代の日本が「フランス革命前夜」に酷似している理由
ここまで読めば、勘のいい人なら気づいたかもしれません。
国が滅びる(もしくは崩壊する)前段階では、富裕層が免税特権を得て、中間層以下に重税が課される状態が生じます。
これを1990年代以降の日本に当てはめて考えると、
・高額所得税率(累進課税)は50%以上も下げられた
・相続税の比率も30%以上も引き下げられている
という状況になっており、これはまさに「免税特権階級がつくられている」と言えますよね??
というように、経済とお金の流れを元にして世界史を紐解くと、新たな世界史観が身に付くだけでなく、今後の世界がどのように動くのかという予想をすることもできるようになります。
ここで紹介したもの以外にも、全然知らなかった歴史の裏側を垣間見ることができるので、ぜひ読んでみてください!
「お金の流れでわかる世界の歴史」を読んだ感想【書評まとめ】
この記事では、「【書評】大村大次郎さんの「お金の流れでわかる世界の歴史」を読むと世界史の見え方が変わる!マジで面白い!」について書いてきました。
表紙に「こんな味方があった!」と書かれている言葉を、そのまま使いたいぐらい、目から鱗が落ちるような内容が盛りだくさん!
世界史にあまり詳しくない僕でも、お金の流れ(経済)を指標にすることで全体の流れをざっくり把握することができて、非常に有意義な学びになりました。
学生にとっては、年号で覚えるだけの勉強ではなく、お金の動きから歴史を予想できるようになる良い教材なのではないかと思います。
また、社会人の方にとっても、歴史を経済的に分析することでビジネスにも活かすことのできるヒントが多く見つかる書籍です。
本当に面白いので、ぜひ手にとって読んでみてください!
✔︎ 5千年分の世界史をお金の動きで解説している
✔︎ 戦争の勝敗を左右した意外な事実を学び取れる
✔︎ 日本や世界のこれからを予想することもできる
耳で聴く読書 オーディブル(Audible) でも聴読可能です。移動中に聴くのもおすすめなので、30日間の無料体験を使ってぜひ試してみてください。
というわけで、今回の記事は以上です。
では、また!