どうも、りょうかん(@ryokan_1123)です。
以前『現代ビジネス』で話題になった、イケダハヤトさんと小川未来さんの対談をご存知でしょうか?
参考記事
この記事を見ながら、僕はある人との会話を思い出しました。
古川正悟、通称・キム。
大学院修士2回生の24歳。
Book Cafe ホンバコの事業提案を行った第1回リノベーションスクール@鳥取(以後RS)で同じユニットのサポートスタッフとして参加しており、それ以来の付き合いなのだが、彼との普段の会話がこの対談とそっくりなのだ。
古川くんはRS後に就職活動を始めた。
そんな彼に僕はずっと「就活なんて辞めればいいのに」と言い続けてきた。
しかし、彼はその後も就活を続け、めでたいことに(本当はめでたくないんですけど)第一希望の企業から内々定が出たらしい。
そして、最近は「いつ内定辞退するの?今なら間に合うよ?」が挨拶代わりになっていた。
今回はそんな古川くんと、このイケダハヤト×小川未来対談のオマージュのような形を取りながら、対談をしてみた。
賛否両論あると思うが、双方楽しみながら対談が進んだので、温かな目で見てほしい。
対談日:2015年9月26日(土)
内定式なんて出なくていいのに
古川:今さらですけど、就活終わりました! 10月1日に内定式があります。
岡田:あ〜あ。その日、ホンバコでコーヒーの日イベントなのに。内定式とか行かなくていいんじゃない?
古川:いやいや、行きますよ、そりゃ。内定式ですもん。
岡田:なんで行くの? 行かなくても良くない?
古川:だって、第一希望の企業ですし、基本参加ですから。どんな人に会えるか楽しみじゃないですか。
岡田:第一希望、どこだったっけ?
古川:建築系ゼネコンです。
岡田:なんで建築系のゼネコンを選んだの?
古川:もともと大学の専攻が土木工学だったこともあって、現場に対して興味があったし、でも土木よりも建築に行きたい気持ちもあって、建築ができて現場に出れるから、っていう感じですかね。
大工になればいいじゃん
岡田:キムとはRSからのたった10ヶ月ぐらいの付き合いで全部を知ってるわけじゃないけど、リノベーションの手法や自ら動く楽しさを知ってる中で、なんでゼネコンに行くのかが不思議なんだよね。
古川:そもそも建築のことをあまりよく知らなくて、自分の中で、建築をやるんだったらまずは建てることっていうか、建て方を知りたいっていう気持ちが強くて。
確かに、RSに参加してから色々なスゴい人を見てきましたけど、その人達もちゃんと建築を学んだ上で活動してる人が多いじゃないですか?
それに、大工さんってカッコいいなって思ってて!(笑)
岡田:じゃあ大工になればいいじゃん。
古川:まあ確かにそうですけど…。昔は大工か医者になりたかったんです。でも、高校に進んだ時に、学力的に医者は無理だと感じて(笑)
とは言え、大学に進む以外に選択肢が無くて、だったら昔大工に憧れてたし、何かをつくるっていう方向にいこうかな、っと思って。
岡田:じゃあ今からでも大工を目指せばいいじゃん。ゼネコンって、何かを〝つくらせる側〟でしょ? 〝つくる側〟ではないやん。
古川:建築に興味を持ったきっかけは大工ですけど、だからって大工になりたいわけじゃないですよ。
岡田:でも、何かを〝つくる側〟の人になりたいわけでしょ?
その話からすれば、ゼネコンって選択をしたことに疑問を感じるけど。
確認だけど、キムは〝つくる側〟の人になりたいんだよね?
古川:……そうなんですよね。
でも、ゼネコン=なにかを〝つくらせる側〟っていうよりは、自分も協力して一緒につくるっていう感覚というか、自分の中の解釈ではそんな感じですかね。
岡田:じゃあキムの中での〝つくる側〟になりたいってのは、『自分の手で』って言う前提ではないんだ。
キムの話を聞いてる限りは、そうじゃないと思ったんだけど。
古川:そこは『自分の手で』っていうところの感覚の違いじゃないのかなって思うんですけど。自分自身が切る、塗る、貼るっていうだけが『自分の手で』っていうだけじゃないと思っていて。
自分ですべてをつくることは出来ないわけじゃないですか。
岡田:でも、ゼネコンで働く限り、自分自身の手で作り上げる部分のスキルは全くもって身に付かないけど、それでいいの?
古川:う〜ん…。
岡田:俺にはキムが自分の本心の部分を包み隠して見ないようにしてる風にしか見えないんだよね。
高校が進学校だったから、大学が土木だったから、だからゼネコンに就職するんだ、って過去を言い訳にしてるようにしか見えないわけ。
古川:いやいや、そんなことはないですよ。
岡田:大事なのは〝今、何をやりたいか〟じゃないの?
本当にやりたいことは、何なの?
古川:んー、やりたいこと…。別に一生ゼネコンで過ごすっていう気は無くて。あくまで手段というか。建てるっていうことに固執する気も全然無いですけど。
岡田:いつかゼネコンを辞めるってこと? じゃあ今でもいいじゃん。
なぜ他の人と同じように就職するのかがわからない
岡田:もう一回聞くけど、本当は今、何がしたいの?
古川:いま……。将来的にはプレイヤーというよりかはコーディネーター的な感じで専門性を持って好きな地域に何かを還元したいとは思ってます。
会社に入って、専門性を身につけて、自分のアイデンティティみたいなものを確立した上で、地域に戻ってきたいというか。
岡田:でも、プレイヤーになれない人がコーディネーターしても、薄っぺらいし、そんなコーディネーターつまんないよ?
古川:まあそうですよね。
岡田:俺がキムに対して就活前に「就活辞めろ」とか内定後に「内定辞退しないの」って言い続けてるのは、『会社に入る必要ないじゃん』って想いと『就職するにしてもゼネコンじゃないでしょ』って想いの2つあるわけ。
会社に入るなんてつまんないし、ゼネコンで働くのもきっとつまんないよ、って。
古川:社会に出て会社に入ってみないとわからないことってあるじゃないですか。りょうかんさんみたいに起業してバリバリプレイヤーとして動いている人って全体のパイとしては少ないわけで。
大半の人は会社なり何かしらの組織に属しているんで、まずそこで社会の流れを見る、経験することは、自分にとっては必要なプロセスだと思っているんですよ。
岡田:会社に属さなくても社会の流れは見れるし、逆に属さない方がよりリアルに社会の流れを感じれると思うけど(笑)
アイデンティティを確立することと就職することは矛盾してない?
岡田:てか、自分のアイデンティティを確立して云々と言いながら、大半の人と同じ方法手段でアプローチしようとしてるは、矛盾してるんじゃない?
他の人と同じことをしてもキム自身のアイデンティティにはなり得ないし、それ自体をつまらないって感じちゃう。
古川:矛盾してますかね?
岡田:もちろん、大学院を卒業したのに就職しなかった場合にどうやってお金を稼いでいくか、っていう問題はあるよ。でも、死なない程度にお金を稼ぐ方法はいくらでもあるわけで、それこそ自分自身のアイデンティティを確立させていけば食うに困らないようになっていくと思うの。
古川:はいはい。
岡田:田川さんが良い例じゃん。確かに余裕があるわけではないけど、自分のアイデンティティを確立してるからこそ、やりたいことをやりつつも生きていけてる上に周りも応援したくなる。
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岡田:逆に就職して会社に埋没するほどアイデンティティの確立には遠回りになると思うから「会社に入る必要ないじゃん」って思うし、就職するにしても本心とは違うことをする会社に入ることを良しとしようと自らに言い訳してるように見えるから「就職するにしてもゼネコンじゃないでしょ」って思うの。
古川:まあ、言いたいことはわかりますけど。でも、そうは言っても、誰もがりょうかんさんや田川さんみたいに出来るわけじゃないじゃないですか。
それに、大半の人と同じアプローチをすることで、大半の人の気持ちに寄り添えるようになりたいというか。
岡田:それで?
古川:なんか、うまくいえないですけど、僕は自分の目で見たり肌で感じるもので周囲を判断したくて。ゼネコンってネガティブなイメージがあったりしていて。
でも、実際その現場で働いている人がどんな気持ちで働いているのか、その熱量ってそこにいないとわからないじゃないですか。
それを知らないことが、自分の視野を狭めることになるんじゃないかなと思うんですよ。
岡田:いや、その考え自体がわからないわけじゃないよ。
でも、自ら動いていく楽しさを知ってしまったわけでしょ?
古川:まあね。
岡田:誰もが出来るわけないとか言ってるけど、少なくとも鳥取の同世代の人と比べれば、実際に動いてる人もコトも知っていて、もっと言えば自分が何かを仕掛けようとした時には全力で応援してくれそうな人達が身近にたくさんいて、確実に鳥取の同世代よりはやりやすい環境にいる立場なわけじゃん。
なのに、なんで他の人と同じように就職してしまうのかがわからない。
もったいないじゃん。つまんないって感じないの?
古川:たしかに自分の価値観が常に揺さぶられる環境ってすごい居心地いいですよ。
でも、自分の中でそこの環境に甘えていたらいけないよなっていうのがあって、やりたいことのために、まずは自分の視野を広げたりとか経験を積んでいきたいなと思ってて。
岡田:まあ、キムの人生だから俺にはどーでもいいんだけど(笑)
でも、今「内定辞退しました!」って言えば、周りの人は超面白がってくれるだろうし、「これからこんなことしまーす!」ってFacebookとかで宣言しちゃえば、すぐにポジション取れるのにもったいないって。
マジな話、早いこと内定辞退しちゃった方がいいと思うよ。
古川:ムムッ………(苦笑)
《後編に続く》
“りょうかん節”が出ている文章で面白い。 / 「いつ内定辞退するの?」 会社に入るなんてマジでつまらない! 岡田良寛×古川正悟【前編】 − りょうかんのつぶやき http://t.co/7F6J4IDsoT @ryokan_1123より
— 木村すらいむ (@kimu3_slime) 2015年9月28日